前回のブログでは、規制業種について述べました。今回は外国資本の出資比率について見ていきたいと思います。
ベトナムでは、外国資本に対する規制が、2007年のWTO加盟をきっかけに大幅に改善されました。具体的には、WTOサービス分類による12の分野のうち11の分野において、市場が開放されました。
開放される分野は、1.法律、会計、監査、税務、コンサルティングサービス、2.情報通信などのコミュニケーションサービス、3.建設サービス、4.卸売・小売、フランチャイズなどの流通サービス、5.教育サービス、6.汚水廃棄物処理などの環境サービス、7.保険、銀行、証券などの金融サービス、8.病院などの健康関連サービス、9.ホテル、旅行業などの観光サービス、10.娯楽サービス、11.海上、航空、鉄道、道路などにおける運送サービス、等であり、段階的な市場開放が行われています。
建設関連サービスや、流通サービス(小売、卸売、フランチャイズ)などでは既に100%外資による進出が可能となっています。
WTO公約による出資比率の規制及び今後の外資系企業への市場開放のスケジュールは以下の通りです。
WTO公約による出資比率制限
(出所:JETROホームページ及びWT/ACC/VNM/48/Add.2参照)
しかし、規制が緩和されているにも関わらず、投資許可が下りないケースもあるのが現状であり、特に、流通分野(卸売、小売)に関しては、商務省10/2007/QD-BTMによって2009年1月1日から100%外資による流通分野の企業設立が可能となり、日系企業の進出も見られました。しかしながら、2店舗目以降の開設許可については審査を通過しなければならず、この審査手続きに不透明な部分が残されています。
また、新規の進出の場合でも、100%外資で設立を申請しても投資審査を通過できないという話もあり、まだ多くの部分で不透明さが残っていますので、進出にあたっては、専門家の意見や最新の情報に基づいて判断する必要があります。