【ベトナム法人の漠然としているお金の流れを把握するには②】

会計

ベトナム拠点の花嶋です。

今月は「これならわかる、会社の財務~ベトナム財務~」シリーズでお送りします。

 

営業職や技術職をお勤めされる中であまり決算書を見る機会がなかったけれど、海外子会社に来て必然的にみる必要が出てきたという方向けに、会社のお金を考えるときにみておくべきポイントを押さえて解説していきます。

コロナ禍でコスト意識も高まっている傾向もありますので、この機にこれを通して、すべての社員が会社への貢献を意識して正しく頑張っていける仕組みづくりを一緒に目指していければと思います。

 

今回のテーマは、「ベトナム法人の漠然としているお金の流れを把握するには」です。

 

社長は売上に特に関心があります。なぜなら、一番営業ができる人が社長になっているケースがあり、売れる営業マンは売上をあげることが重要な仕事だからです。また、社長はコストに興味があります。なぜなら、開発費、製造費等予算の中で日々やりくりしながらコストダウンに取り組んでいた現場の技術者(プロ)たちが社長になっているケースもあるからです。

 

しかしながら社員たちは給与に関心があります。会社はその社員たちに給与を支払わねばなりません。それと同時に、会社は借金の支払い、オフィス代等の固定費、その他会社を維持していくうえで必要な費用も払っています。これをなぜ支払えるかというと、利益があるからです。会社を回すには、売上アップやコストダウンはもちろん大事ですが、全体を俯瞰して見て、お金の流れを把握してる必要があります。

 

~お金の流れの把握~

下のブロック図を使ってお金の流れを把握してみます。

下記の例題を見てイメージしてみましょう。

20,000M

16,000M

4,000M

3,600M

2,000M

1,600M

  1. 400M
  1. 80M
  1. 320M
  1. 100M
  1. 200M
  1. 20M

 

例題(卸売業)オフショア事業も人件費が変動費の大部分を占めるケースが多いですので少し似た形になるかと思います。

  1. 現在、売上が20,000Mvndあります。 
  2. これは変動費で、16,000Mvndとします。つまり仕入れです
  3. これは粗利です。①-②をすると、4,000Mvnd になります。①売上に対する③粗利の割合のことを粗利率と呼びます。今回の例題ですと、粗利率は20%(業界平均値)です。売上が同じだとしても、この粗利率が違うだけで利益が数倍の差が出ることもあります。

・会社の粗利率は何パーセントあるか?

・直近3年間の推移はどうなってるか?

を把握してみるのが良いです。

  1. これは固定費になります。今回、3,600Mvndであったとします。その名の通りこの費用は毎月固定でかかってきます。ベトナム法人のオフィス代、社長の家賃代、レンタルカー代、水道光熱費、コンサルティングフィ―、その他消耗品費、人件費等がこれにあたります。
  2. ④の固定費をあえて2つに区分してみます。そうしますと、まず⑤は人件費になります。ここでは(売上高人件費率7~10%)業界平均8%を使い、1,600Mvndとしてみます。
  3. ④-⑤をして残りの数字が出ます。2,000Mvndとなりました。
  4. (経常)利益は400Mvndです。※ベトナムでは営業利益に営業外収益も交じって表記されているので営業外利益がある会社は本業で稼いだお金(営業利益)はいくらかとみる際には注意が必要です。
  5. ここから税金を支払います。80Mvndをベトナム税務局へ納めます。
  6. これは税引き後の利益となります。
  7. これは借金です。設立時や設立後の投資のために使った借金の返済に充てます。返済額を100Mvndとします。
  8. これは未来への投資額です。200Mvnd使うとします。
  9. 残ったのは20Mvndです。これは繰越金です。

 

このように、図を使って会社のお金の流れを簡易的に理解していくと漠然としていたものが目に見えてイメージしやすいものになります。

 

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東京コンサルティングファーム
ベトナム ハノイ
花嶋 拓哉


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