今回のブログのテーマは、ベトナムにおける労働者の採用に関して述べます。
日系の進出企業にとって、優秀なベトナム人労働者の確保は、ベトナムでの事業成功に直接影響する重要な課題であるといえます。
そこで、ベトナムにおける労働者の確保に関する注意点などをまとめました。
・給与水準に関して
日系企業のベトナム人スタッフの給与水準は、語学が堪能(日本語若しくは英語)の四大卒業者で新卒の場合は、月の給与で200USD前後です。5,6年の実務経験を持ち、語学堪能の場合は、500USDから1,000USDほどです。実務経験が豊富であり、マネージャーとして働くことができる人材の場合は、1,000USD以上となっています。こちらは、あくまで、一般的な水準であり、IT、金融などの分野では、比較的、高くなる傾向があります。ベトナムでは、インフレにも伴い、年々賃金水準が上昇する傾向にあります。最新の賃金水準の情報を確保していくことが日系企業にとっても重要となります。
・人材の募集に関して
進出予定地によっては、人材の募集が困難な場合があります。先方の事業内容からして、地方部ではなく、都市部への進出だと思いますが、ベトナム人は、優秀な人材ほど都心で働くことを好む傾向にあります。よって、都市部(ハノイやホーチミン)から、数十キロ離れるだけで、高学歴の人材の確保は難しくなります。理由としては、地方には、私立の学校が少なく、地方に住んでしまうと自分の子に対して水準の高い教育を受けさせることができないこと、さらに、ベトナム人は、お金よりも家族と過ごす時間を大切にする傾向があるため、一般的に通勤時間が長い職場は敬遠します。
・離職率に関して
離職率に関してですが、とても高いです。ベトナムでは、法定の試用期間が2か月なのですが、2か月間で辞める人材も珍しくありません。すでに進出済みの日系企業は、そのあたりも考慮して、例えば、管理部門でも少し大目にとって、何名が残ればよいといったスタンスで採用をしています。また、少しでもよい条件の職を見つけた場合は、すぐに辞めて移ります。同じような条件であっても、有名企業、大企業を好む傾向にあるため、同業他社で有名企業が近くの工業団地に進出したため、ワーカーが一気にやめて移ってしまうということが多々おこります。
次回のブログも引き続き、ベトナムの労働者に関して、書いていきたいと思います。