従業員解雇の難易度

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の清水信太です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「従業員解雇の難易度」についてお話していこうと思います。

 

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目次

【従業員解雇の難易度】

今回はベトナムにおける従業員の解雇の難易度に関して解説していきます。
結論から言うと雇用主側都合での従業員の解雇は難易度が高くなっています。
詳細を見ていきます。

〇解除と懲戒解雇
まず、雇用契約の終了には解除と懲戒解雇の2つがあります。
解除は下記のようなケースで認められています。
・契約期間の満了
・労働者が定年に達した場合
・労働者が刑期に服する場合、または裁判所の決定により職場復帰ができない場合
・労働者の死亡または裁判所が失踪を宣言した場合

それに対して懲戒解雇は下記の様なケースで認められています。
・窃盗、横領、技術的機密及び企業情報の漏洩により企業に著しい損害を与えた場合
・懲戒処分になった場合において同一内容の違反または常習的な違反者である場合
・正当な理由なく月に5日または年間で20日欠勤した場合

つまり、解雇に関しては従業員側に大きな問題が無い限りは難しく、
実務上は両者間での合意によって行われることがほとんどになります。

〇対策
上記から、解雇を行いたいができないという問題に直面する企業も少なくありません。
それに対する対策としては試用期間を有効活用することが挙げられます。
ベトナムでは雇用時に役職によって定められた日数を超えない範囲で試用期間を設けることが可能です。
試用期間中は上記と異なり労働契約の強制終了が認められています。
そのため、積極的に試用期間を利用しその期間でパフォーマンスを見極めることが重要になります。

具体的な役職ごとの認められている試用期間は下記です。
・管理職:180日以内
・高等専門委所の資格とスキルが必要とされるスタッフ:60日以内
・専門の資格とスキルが必要とされる仕事、技術者、専門スタッフ:30日以内
・上記以外:6営業日以内

正規雇用後、解雇を行いたい場合は前述の通りハードルが高くなっているため、
実務上両者間の合意に持っていくのが最善かと思います。

〇退職手当及び失業手当
雇用契約の終了の際、退職する従業員が12か月以上常時働いていた場合は退職手当または失業手当を支払う必要があります。
どちらになるかは労働契約が終了した理由により異なります。

下記の場合は失業手当となります。
・企業の組織変更、事業変更に伴う終了(吸収合併、売却、消滅分割等)

その他の下記のような理由の場合は退職手当となります。
・労働契約期間の満了
・両者間の合意による終了
・従業員都合の退職(内容によっては発生しない)

それぞれの計算方法は下記です。
・退職手当:1年間の勤務ごとに月給の半額分の退職手当を支払う
・失業手当:1年間の勤務ごとに1ヶ月分の給料相当を支払う。最低でも2カ月分である必要がある。

本日は以上になります。ベトナムは社会主義国であることもあり、雇用者を保護する傾向が強く、
特に雇用契約の終了時にはトラブルになりやすいです。
労務面に関してお困りごとやご相談事があればお気軽にご連絡ください。

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清水 信太


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