
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の小瀬悠也です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【ベトナム税務実務】インコタームズ「CPT」を活用した外国契約者税(FCT)
の適正化について」についてお話していこうと思います。
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【ベトナム税務実務】インコタームズ「CPT」を活用した外国契約者税(FCT)の適正化について
こんにちは。東京コンサルティングファーム ハノイ拠点 小瀬 です。
本日は、日本からベトナムへ物品を輸入する際に見落とされがちな「外国契約者税
(FCT)」と「運賃(送料)」に係る実務上の留意点について解説いたします。
■ 運賃に対するFCT課税リスクについて
日本本社からベトナム現地法人へ物品(機械部品や贈答品等)を輸出する際、インボイ
ス(商業送り状)に「物品代金」と「ベトナムまでの運賃」を区分して記載するケース
が見受けられます。
ベトナムの税務実務上、運賃を単に請求した場合、税務当局より「ベトナム国内向け
の輸送サービスの提供」とみなされ、当該運賃に対して1%のFCT(みなし法人税)が
課税されるリスクが存在します。本来、純粋な物品の輸入取引は免税(0%)であるた
め、不必要な税負担が生じることとなります。
■ リスク回避の鍵となるインコタームズ「CPT」
この予期せぬ課税リスクを回避するための有効な手段が、インコタームズ(国際商業会
議所が策定した貿易条件の解釈に関する国際規則)における「CPT(輸送費込条件)」
の適用です。 CPT条件では、「運賃は輸出者(日本側)が負担するが、貨物の滅失・
毀損リスク(責任)は、輸出国内で最初の運送人に貨物を引き渡した時点で輸入者(ベ
トナム側)に移転する」と規定されています。
■ CPT適用による免税の論理
ベトナム税務当局は、取引が「国内サービス」に該当するか否かの判断において、「リ
スク(責任)の移転場所」を極めて重視します。 CPT条件を適用した場合、リスクの
移転は「ベトナム国外(日本国内)」で完了しているため、税務当局は当該輸送をベト
ナム国内でのサービス提供とみなすことができません。結果として、運賃は独立したサ
ービス対価ではなく「物品代金の一部」として取り扱われ、FCTが非課税(0%)とな
ります。
■ 実務上の対応とまとめ
日本から物品を輸入する際、運賃を輸出者(日本側)が負担する取引においては、イン
ボイスの取引条件(Terms of Delivery)に「CPT」等の適切な免税条件を明記し、売買
契約書の記載と整合させることが重要です。 予期せぬ税務リスクを未然に防ぐため、
自社の輸入関連書類の記載内容について、今一度ご確認いただくことを推奨いたします。
参考:インコタームズ条件と費用・リスクの移転時期
● EXW(工場渡し): 輸出者の施設等で貨物を引き渡した時点で移転(輸入者の負
担が最大)。
● FCA(運送人渡し): 輸出者が指定の運送人に貨物を引き渡した時点で移転。
● CPT(輸送費込み)【本稿の主題】: 運賃は仕向地まで輸出者が負担。リスクは最初の運送人に引き渡した時点で移転。
● CIP(輸送費・保険料込み): CPTの条件に加え、輸送中の保険料も輸出者が負担。
● DAP(仕向地持込渡し): 指定仕向地に到着した時点で移転(荷卸しは輸入者が
負担)。
● DPU(荷卸込持込渡し): 指定仕向地に到着し、荷卸しが完了した時点で移転。
● DDP(関税込み持込渡し): 指定仕向地までの全費用(輸入関税等含む)とリス
クを輸出者が負担(輸出者の負担が最大)。
● FAS(船側渡し): 指定船積港において、本船の船側に貨物を置いた時点で移転。
● FOB(本船渡し): 指定船積港において、本船の甲板に貨物を積み込んだ時点で
移転。
● CFR(運賃込み): 指定仕向港までの運賃を輸出者が負担。リスクは本船に積み
込んだ時点で移転(海上輸送版のCPT)。
● CIF(運賃・保険料込み): CFRの条件に加え、海上保険料を輸出者が負担(海
上輸送版のCIP)。
■ 税務上の適格性を証明するための必要書類
適用されたインコタームズ条件を立証するため、ベトナム側で以下の輸入関連書類一式
を整合性が取れた状態で保管することが求められます。これらの書類には、適用される
インコタームズおよび貨物の引渡場所が明記されている必要があります。
● 売買契約書(Sales Contract / Purchase Order)
● 輸入通関申告書(Customs Declaration)
● 商業インボイス(Commercial Invoice)
● 船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(AWB)等
以上、ご不明な点がございましたら、ご質問くださいませ。
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小瀬 悠也
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