
こんにちは。TCFタイオフィスの岩城です。
今回は前回に引き続き、BOIについてです。繰り返しにはなりますが、BOIとは「タイ投資委員会」のことで、タイの投資推奨法という法律に従いながらタイ国内の市場に向け、巨大投資の案件を審議する役割を持つ機関です。
前回は奨励証書を入手するまでをご説明しました。奨励証書は、発給申請から10営業日以内に発給されます。また、BOIによる恩典は原則この奨励証書受領後に受けることができます。しかし、入手した後もいくつかの手続きを行わなければなりません。今回は奨励証書受領後の手続きについてご紹介します。
- 技術者、専門家及び各許可の申請、審査
奨励証書発給後、機械のマスターリスト、原材料輸入の際の一覧表(製品ごとに一つの製品を製造するために必要な材料、部品の量を記載する)の承認申請を行い、各種の輸入申請など事業の準備を進める。
技術者および専門家申請の審査はビザ・ワークパーミット・サービスセンター及び関連タイ政府機関にて行う。
- 工場建設開始及び機械発注の通告
BOI事務局は奨励証書発給後6か月、12か月、24か月後に事業の進捗状況について確認の文書を求めてくるため、そのつど進捗状況を文書で報告しなければいけない。
- 機械リストの審査、機械輸入
一般的に、機械、器具について関税の減額を受ける場合には、奨励証書発給日から30か月以内に輸入をしなければならない。
また建設、機械、器具の導入、工場の操業は受領後、36か月以内に行うことが求められる。
- 原材料及び必要資材量の審査、原材料輸入
輸出用製品に使用される原材料はBOI認可事業の場合、奨励恩典により輸入関税は免除される。
商社を経由して輸入することは可能。しかし受取人はあくまでも被奨励者でなければならない。また、タイ国内販売用の製品もある場合、輸出用と国内用は、インボイスを分割して輸入し、国内でも保管場所を分けて区分管理の必要あり。
- 工場稼働許可申請
奨励証書に定めてある稼働開始期限の15日以上前に文書によりBOI事務局へ通知し、担当官の検査を受ける。検査のあと事務局から操業許可書が発行される。
≪稼働許可の証明への必要書類≫
l プロセスチャート及び機械のレイアウトを有するプロジェクト操業申請フォーム
l 最新の株主リストの写し
l 最新の財務報告書の写し
l 企業登録
l 工場許可あるいはプロジェクトに関する関係機関からのその他許可の写し
l 法人所得税の免税額に上限のあるプロジェクトは、操業開始期限までの投資金額(土地価格と運転資金を除く)を確認する必要があるため、以下の追加文書を提出しなければならない。
・法人所得税還付の写し
・資産のリスト
・資産登録の付属文書
申請に関し詳細にご紹介しましたが、弊社からもサポート可能となっておりますのでお気兼ねなくご相談ください。