タイへの日系企業の進出について

サワディーカップ!今回は日系企業のタイへの進出の背景を、(1)アジア通貨危機後の2000年代初頭、(2)2000年代後半、(3)2010年以降の3段階に分けて考えてみたいと思います。

(1)アジア通貨危機後の2000年代初頭

この時期の日系企業の進出理由は、ここ数年インドで見られるような「取引先からの要請や誘致」が主なものであると考えられます。自動車や電機などを中心とした製造業がタイに進出したのをきっかけに、部品メーカーが相次いでタイに進出したと考えられます。

(2)2000年代後半

2007年に124円/ドルをつけた後は円高基調になっており、また日本国内の閉塞感や経済の先行きが不透明なっていく中で、製造業も次々と海外に生産拠点をシフトしていきました。また、2005年の国勢調査において、戦後はじめて出生数よりも死亡数が多い「人口減少社会」という言葉が使われて以来、日本国内での人口が減少していくことを多くの国民が見聞きし、製造業のみならずサービスや外食産業も海外への進出を開始しました。

(3)2010年以降

タイは2010年に一人当たりGDPが4,000ドルを超えて中間層が厚くなり、これまでの安価な労働市場を狙った「生産拠点」から「内需への期待」に変化してきたと考えられます。中国でもそうであったように生産拠点から消費市場にタイも変貌してきていると考えらます。

インドやミャンマーでは、ここ数年で不動産価格が著しく上昇しており、労働者の賃金水準も上昇していくことが予想されます。これは生産拠点から消費市場への変化の期間も短くなることが考えられるため、その時々にあった経営判断が求められることになるのではないでしょうか。
(以上)

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2019-10-23

東京コンサルティンググループ

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