タイ投資委員会(BOI)新投資奨励策草案発表

こんにちは。タイバンコク駐在員の柳澤です。

今年1月14日、タイ投資委員会が2013年~2017年の新投資奨励策の草案を発表しました。
今回の草案で従来の奨励策との変更点は多岐にわたりますが、大きく分けて、税関連の恩恵と対象業種に関する変更があります。以下、二つに分けて説明致します。

1. 税関連の恩恵について
税関の恩恵についての変更点は、今まであったゾーン別の恩恵制度を廃止し、特定産業を奨励する制度に変更するというものです。
従来のBOIの税制上の特典は、全国を3ゾーン(実質的には4ゾーン)に分けて、ゾーンごとに差をつけられています。
第1ゾーンはバンコク首都圏6県、第2ゾーンは首都圏周辺11県及びプーケット、第3ゾーンはそれら以外で、第3ゾーンがさらに2つに分けられています。
今回の新しい草案ではこれらのゾーン制が廃止され、業種により法人税その他の税恩典内容を変えるという内容です。

2. 対象業種の減少について
今回の草案では投資奨励業種を大幅に削減しています。従来まで対象としていた奨励業種の中から、「タイの経済構造改革にとって非常に重要」なものを絞り込んだ形となっています。新制度で奨励される業種としては従来と変わらずa. 農業および農産品からの製造業、b. 鉱業、セラミックス、基本金属、c. 軽工業、d. 金属製品、機械、輸送機器、e. 電子・電気機器、f. 化学、製紙およびプラスチック、g. サービス・公共事業の7分類になりますが、
これらの業種の中で奨励から除外、恩典が減る業種が多数あることに注意が必要です。

上記は具体的な業種になりますが、概念として新投資奨励案で新たに加わった対象業種及び対象から外された業種は以下の通りになります。
(1)新たに加わった業種

1 基礎インフラ及び物流(例えば天然ガス発電、物流センター)
2 基礎産業(例えば製鉄、機械)
3 医療・科学機器産業(例えば医療機器、薬品)
4 代替エネルギー・環境サービス産業(例えば再生可能エネルギー発電、産業廃棄物処理)
5 支援サービス産業(例えば研究開発、貿易・投資支援)
6 高度科学技術産業(例えばバイオテクノロジー、ナノテクノロジー)
7 食品・農産物加工産業(例えば食品加工、バイオ燃料)
8 ホスピタリティ&ウェルネス産業(例えば観光、高齢者施設)
9 自動車・輸送機器産業(例えば自動車、航空機)
10 電子・電気機器産業(例えばHDD、太陽電池等)

(2)対象から外された業種

1 低付加価値・ローテク産業(例えば一般プラスティック製品)
2 環境問題を生じるか、エネルギー多消費産業(例えば鉱物精錬)
3 政府の管理下にある産業(例えば電話サービス)
4 BOI奨励が他の法令や規制と矛盾する産業(例えば医療事業)

BOIは内外の民間企業、経済団体関係者からの意見を聞くための公聴会をバンコク等全5都市で開催しています。公聴会は2月18日まで開催され、ここで上がった要望を元に、奨励策の見直しが行なわれ、BOIは今年半ばの施行を目指しています。

以上

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