存在感を増すタイの自動車産業

タイは東南アジアで最大の自動車生産国で、「アジアのデトロイト」 と呼ばれることもあります。

タイにおける自動車産業は、非常に部品点数の多い自動車産業を支えるサプライヤーの裾野が広く、タイの強みの一つと言えるでしょう。
2011年の東日本大震災で東北地方に立地する自動車部品のサプライチェーンが打撃を受けたことを踏まえて、
日本の自動車メーカーからは、タイの自動車部品製造能力の高さに対して、より一層注目が集まっています。

次のグラフは2010年以降のタイの自動車生産台数と販売台数、輸出台数を示したものです。
1998年のアジア通貨危機でいったん落ち込んでいたタイの自動車生産は、その後は順調に生産台数を増やし、2005年には年間100万台の大台を超えました。
世界金融危機の影響で2009年には99万台に落ち込みましたが、翌年にはV字回復して164万台、2011年には東日本大震災の影響と大洪水のために145万台と落ち込みましたが、洪水の収拾とともに復活に向かい、2012年には年間生産台数約246万台で、前年比68%増となりました。

また、タイ政府が2011年10月から2012年12月まで導入し た「自動車購入支援策(ファーストカーバイヤー制度)」が功を奏し
2012年の自動車国内販売台数は過去最高となりました。

しかし政策終了後はその勢いをなくし、2014年には4年ぶりに国 内販売台数が輸出台数を下回りました。
タイは輸出比率の非常に高い国ですが、特に自動車は輸出比率が高 く、2007年以降は約半数が輸出となっています。
従来から、アジア やオセアニアの生産・輸出拠点となっていたタイですが、中近東やあらたに関係構築してきたインドなどの有望マーケットへの生産拠点としても年々その存在感を増しています。
タイは2013年時点で世界第9位の自動車生産国になっており、2014年は188万台を生産し、うち112万台を150カ国に輸出しています。
タイ政府としては2017年までに300万台生産することを目標としているといわれています。

他の新興国の例にならえば、一 人当たりのGDPが5,000USドルくらいになると、乗用車が急速に普及するといわれています。
タイの一人当たりのGDPは、すでに 2011年には5,115USドルになっており、2012年に5,390USドル、 2013年には5,674USドルまで伸びました。
今後は国内マーケットの拡大にも期待が広がります。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

なお、本記事は20198月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。

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2019-10-23

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