GST(≒消費税)規則の変更について

日本の消費税に当たるシンガポールのGST(Goods and Services Tax: 商品・サービス税)は、一般には7%の税率で徴収されます。

 

日本の税率より1%安いという点以外にも、以下のような違いがある点、まず押さえておきましょう。

 

1.GST登録

シンガポールのGSTは登録制であり、登録企業のみ徴収権限と納税義務が生じます。

GST登録が必要なのは年間の課税売上高が1,000,000 SGDを超える企業で、それ以外の企業の登録は任意とされています。

裏を返せば、全く同じ付加価値を付けて物を販売する場合、上記のよう売上高1,000,000 SGD以下の企業については、GSTを課税しないだけ、安い値段で物が売れるということになります。

ただし、GST登録をしない企業も自分が商品・サービスを購入する場合にはGSTが課税された金額を支払うことになる場合があり、その場合GST登録企業なら納税証明を付して還付を受けることができますが、未登録企業は還付が受けられないことになります。

 

2.GST申告

シンガポールのGST申告は、3か月に1回、年4回行います。一部例外を除き、7月、10月、1月、4月にそれぞれ月末までに申告が必要です。

また、申告時に必要な書類として、タックス・インボイス(適用税率、税額等を記載した請求書)を用いて請求していることが必要とする、インボイス方式が用いられています。

日本の場合、仕入れ取引が記帳されていれば、その金額から割り出した消費税額を割り出して控除・還付を受けることができますが、シンガポールではインボイスがなければ控除・還付が受けられないということになります。

 

さて、このGST、日本の消費税が来年10%に引き上げられるのと同様に、シンガポールでも9%へ引き上げられることが今年2018年の予算案で決まりました。

ただし、期間は2021年から2025年の間とされており、少なくともまだ数年猶予があることがわかっています。

 

そしてもう一点、2018年予算案で決定したのが、主に国外からのメディア電子配信を対象とした、リバースチャージ方式のGST課税です。

日本の消費税にも2015年10月に導入されたリバースチャージ方式ですが、シンガポールでも同種の交易に対する問題意識から、導入されるに至りました。

すなわち、国外からの配信メディアが、配信側で課税されないことで国内配信メディアよりも割安となり、国内企業の競争力をそいでしまう問題への対策が取られたのです。

 

原則としてBtoB、企業間取引において、国外から提供されるコンサルティング、マーケティングなどのサービスを含め、サービスの受け手側がGSTを申告・納付する義務を負います。

一方BtoC、国外企業からシンガポール国内消費者へのサービス提供に関しては、年間総売上高が1,000,000 SGDを超え、かつそのうちシンガポールにおける売上高が100,000 SGDを超える企業に限って、シンガポールにおけるGST登録、申告・納付が義務付けられます。

 

なお、このリバースチャージ方式GSTの導入は2020年1月からとされています。

 

弊社では、皆様の作業負担の一助に、GST登録、申告代行も承っております。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

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2019-10-23

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