シンガポールでの整理解雇の基本:知っておくべきポイント

労務

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ シンガポール拠点の田中 勇です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「シンガポールの解雇法制のうち整理解雇のポイント」についてお話していこうと思います。

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【シンガポールでの整理解雇の基本:知っておくべきポイント】

シンガポールは企業に優しい法制度で知られていますが、従業員の解雇に関しては厳格なルールが存在します。この記事では、シンガポールでの整理解雇と解雇に関する法律について、専門用語を解説しながらわかりやすく説明します。

1.シンガポールの雇用法と整理解雇の基本

 シンガポールでは、雇用契約は「Employment Act(雇用法)」によって規定されています。この法律は、従業員と雇用主の双方に対する権利と義務を明確にし、特に解雇に関しては詳細なルールを設けています。整理解雇は、そのうち会社側の事情で該当従業員のポジションやJOBを維持できなくなった場合に行うもので、特段の配慮を払った手続きが必要となります。

2.通知期間と退職金

通知期間(Notice Period)は、雇用契約書で定められたものに従います。

 この期間中、従業員は通常通り勤務を続けるか、両者間の合意があれば、会社が通知期間を買い取ることで、最終日を早めることができます。また、退職金に関しては、2年以上勤務した従業員には、2~4週間分の基本給相当に、勤続年数をかけた額の退職金が支払われるべきとされています。

3.福利厚生と年次休暇

 整理解雇や通常の解雇の場合でも、有給年次休暇などの福利厚生は維持されます。未消化の年次休暇は通知期間中に取得してもらうか、現金化して支給することも可能です。この点は、特段事前の合意がなければ話合いで決定します。

4.不当解雇として申し立てられた場合

 従業員が解雇が不当と感じた場合、「Tripartite Alliance for Dispute Management(TADM)」を通じて異議申し立てが可能です。申し立てが入れられた場合、仲裁が開始し、最高でSGD20,000の額が争議されます。和解できたとしても、予定より多くの額を支払う必要が出てくる可能性があるので、TADMに駆け込まれないように、事前に最善の注意を払っておく必要があります。

5.整理解雇の報告義務

 10人以上の従業員を抱える会社が整理解雇する場合、実行後5営業日以内に、人材省(MOM)への報告が義務付けられています。これには今後の事業計画も含まれます。また、実行前の事前の報告も、推奨されています。

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 今回は「シンガポールでのシンガポールでの整理解雇の基本:知っておくべきポイント」について解説しました。

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2019-10-23

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