こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。
フィリピン初級者向けブログ、第10回は租税条約適用申請(TTRA)について書かせて頂きます。
Q. 租税条約適用申請(TTRA)とはなんですか?
→TTRAはTax Treaty Relief Applicationの略で、フィリピンと他の外国との間に定められている租税条約をフィリピン国内で適用するために必要な申請のことです。租税条約を適用するためにすべての国でこのTTRA申請が必要というわけではありませんが、フィリピンを含めた一定の国では申請をしておかないと、租税条約の軽減税率が適用されないことになりますので注意が必要です。
例えば日本の企業とフィリピンの企業間で取引があり、TTRA申請をせずにフィリピン側で控除された通常税率の源泉税について、日本側で全額について外国税額控除が認められればTTRA申請を行う必要はないのですが、日本の税務当局は租税条約で定められた軽減税率までしか外国税額控除を認めないので、フィリピン側で多めに払った源泉税は無駄になってしまいます。それゆえ、TTRA申請が必要になるという事です。
ただ、TTRA申請には日本側での書類作成(居住証明の取得、定款・登記簿謄本の英語訳等の作成、それらの公証・認証の取得)や、フィリピン現地における手続きが必要で、若干煩雑な部分があります。それゆえ、少額の源泉税であればTTRA申請の手間を考えて、TTRA申請は無視してしまってもよいと思います。
TTRA申請によって軽減される源泉税の税率や申請方法に関しましては、過去のブログで詳しく述べさせて頂いておりますので、そちらをご参照頂ければ幸いです。
該当ブログURL
http://blog.goo.ne.jp/tcg-philippines/e/ff61fe5a33a907a823efe6040d823d9b
http://blog.goo.ne.jp/tcg-philippines/e/ff00637b03b0f1a15ae71f00edba7cea
今週も、どうぞ宜しくお願い致します。
以上