フィリピンにおける有給休暇(SIL)買取の取り扱いとは?!

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.56< フィリピンにおける有給休暇(SIL)買取の取り扱いとは?! >

今回は、【有給休暇(SIL)の買取】をご紹介します。

日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、従業員に係る源泉税の取扱いが論点になることがあります。

フィリピンには、個人所得税における非課税所得の内、De Minimisという少額手当があります。

複数あるDe Minimisの対象項目の一つに、有給休暇(SIL:Service Incentive Leave)の買取があります。

労働法では12ヵ月以上勤務した全ての従業員に最低年5日の有給休暇(SIL)を付与することが定められています。
そして、有給休暇の買取の対象となるSILは、主にVL(Vacation Leave)並びにSL(Sick Leave)に分類され、どちらも買取は可能であり、買取の限度日数はありません。
なお、法定の最低付与日数である5日分については、未使用の場合、企業が買取りを行うことが労働法で義務付けられています。

買取の時期について、買取の有効期限等は特段なく、1年に一度まで可能という規制のみになるため、自社にて規定する毎年一定の期間、又は退職する際での買取でも問題はありません。

また、暦年ベースで計算される所得税は、非課税対象であるDe Minimis(少額手当)とみなされる有給休暇の買取は、年間で10日以内の未使用有給休暇(VL)となっていることに留意する必要があります。

したがって、10日を超える分については、別途定められている非課税枠90,000phpの範囲内では非課税対象、90,000phpを超える分は課税対象となります。

なお、SILに関しては、入社後1年以内に付与される企業もあり、一般的には、VL5日・SL5日として分類されている企業が多いように思います。

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

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