こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。
フィリピン初級者向けブログ、第8回は有効なマネジメント方法について書かせて頂きます。
Q. フィリピンにおいて、有効なマネジメントの方法はありますか?
→一般的な話ですが、ローカルの企業に比べて生産性の高い日本企業においては、とかくフィリピンの方のルーズさや、計画性の弱さ、内気さといった弱みに意識が向いてしまい、厳しさを求めるマネジメントに偏ってしまう傾向があるかと思います。これは私自身の体験からも言えることです。しかしご存知の通り、マネジメントには厳しさ(生産性、利益、機能性)と優しさ(思いやり、理解・共感、共同体)のバランスが必要で、どちらかに偏ってしまうとうまくいきません。
高い品質やタイトな納期をクリアするために、どうしても厳しさのレベルは削れない部分があると思いますので、マネジメントとして特に意識すべきところは優しさ方面の強化かと思います。フィリピンで長く人事労務のコンサルティングをされている方もセミナーでよく「フィリピンでは情の通った人事労務が有効だ」とおっしゃられていますが、その感覚も意識的な優しさの強化というところから来ているように思います。
優しさ方面の強化で、もちろん給与を高くするという事は有効ですが、それだけではうまくいきません。昇給は行った後しばらくは喜ばれるものの、熱が冷めればそれが普通になってしまうからです。
それ以外のことで、できればコストをかけずに、いかに優しさや思いやりを従業員に伝えるかという事ですが、これはまずは従業員の方達のことを理解する事、さらに言えば理解を越えて相手の思いを共感する意識が必要なのではないかと思います。従業員の方達のことを理解しよう、その思いを共感しようという真摯さが伝われば、理解・共感された方々もきっと悪い思いはせず、マネジメントの方に親しみを覚え始めるのではないかと思います。双方の心の距離が近くなれば話もしやすくなり、衆知も集まりやすくなってくると思います。
今週も、どうぞ宜しくお願い致します。
以上