こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.71<クラウド会計ソフトでガバナンス強化してますか?! >
今回は、【クラウド会計ソフトXero】をご紹介します。
フィリピン日系子会社の税務コンプライアンスチェックと同時に、今後は海外子会社のガバナンス強化の重要性が増していくことでしょう。
先日の日経ビジネスでも、東証一部上場の日系企業が、中国の合弁会社で約234億円にも及ぶ資金の巨額流出が発覚したばかりです。
フィリピンにおいても近年、販路拡大やコスト削減のため急速に日系企業の進出が増え、ローカルパートナーを含めた現地のリソースを活用する会社が増えています。
また、海外子会社の会計業務は、現地会計事務所とのやり取りや親会社への報告に多くの時間や業務コストがかかっている現状があり、海外の煩雑な会計業務が課題となるケースが多く見受けられます。
そのような悩みを抱える海外子会社に対して、コストダウンだけでなく、不正防止やコンプライアンス強化など、様々なメリットを享受できるクラウド会計システムが今注目されています。
クラウド会計システム導入には大きく4つのメリットが挙げられます。
1.コストの削減
人件費が安い国では、会計業務を内製化することで、大幅なコスト削減につながる。
2.コンプライアンス強化
クラウド上でデータを親会社や現地会計事務所等、複数のチェック体制の確認が可能であるため、内容確認等における現地子会社・日本親会社などのコミュニケーションが容易になる。
3.情報の即時性
クラウド上の会計データを各担当者が直接入力し、会計事務所や親会社がすぐに確認することで、鮮度の高い情報を得ることができる。
4.内部監査機能強化
リアルタイムのデータ管理がクラウド上で可能となるため、現地会計事務所でも親会社でも会計ソフトをその場にいながらチェックすることができる。
最近では、日本語訳付きのクラウド会計ソフトもありますが、デメリットとしてはフィリピン人が使い慣れていない声を耳にします。
そこで、東南アジアを中心に普及し、かつフィリピン会計士が慣れ親しんでいるのが、「Xero」でしょう。
Xeroは英語表記のみになりますが、色々と便利な機能がありとても管理しやすいツールの一つと言えます。
<Xeroの便利な機能>
・見積書から請求書作成~送付まで一括で可能
・請求書発行した際に仕訳の自動入力できる
・Bank statementをアップロードし、入出金と仕訳が自動で照合
・支払い期限設定によって、滞留債権の自動アラーム
・Aging一覧の閲覧可能
・セグメントPLの表示可能
・更新履歴をチェックできる
・償却基準の設定する事で毎月自動仕訳
Xeroは月40USDからアクセス数は基本的に無制限で全世界どこでも使用できます。
現在、エクセルでの記帳やオフラインのソフトを使用してる企業は、是非検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也
2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。
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