こんにちは。東京コンサルティングファーム・マニラ支店の野島です。
本日はBIRによる税務調査についてご説明致します。
BIR 2019年優先プログラム(RMC No.5-2019)では税務調査の強化を掲げており、2019年の徴税目標値は2.3兆ペソと前年に比べ、14%目標値を増加しています。
多くの日系企業が毎年、税務調査の対象となっています。
まずは一般的な税務調査のフローについてご説明致します。
〜税務調査のフロー
- LOA(税務調査通知)
税務調査の対象となる企業にLOA(税務調査通知)が発行されます。LOAの内容としては、対象年度、調査官名、調査税目、提出書類リストなどの記載があります。一般的に、LOA受領日から10〜15日以内に指定された書類を提出する旨が記載されています。この書類の提出に期限内に従わなかった場合、Subpoena Duces Tecum(SDT:文書提出令状)が発行されます。SDTにも従わなかった場合、禁固刑や罰金が科せられる可能性があります。
つきましては、LOAを必ず受け取ることができるようにすることLOA受領後に迅速に対応することが求められます。
- 非公式協議
非公式協議は追徴金額を減額させる上で重要なステージになります。
また、非公式協議での協議を基にPANへの抗議書を事前に準備しておく必要がございます。
※非公式協議での協議が反映されずにPANが発行されてしまう可能性もあります。
- PAN(初期評価通知)
非公式協議後、PANが発行されます。
PANには調査結果と税金毎に追徴金額の詳細を記載した通知になります。
異議がある場合は、PAN受領日より15日以内に抗議書を提出する必要がございます。
抗議書には税金毎に指摘金額に対する反論や法的根拠などを提示します。
- FAN(最終評価通知)
FANはPAN同様、税金毎に追徴金額を記載した通知になります。
FANの発行日から30日以内に反論を行わない場合、追徴金額が決定します。
- FANへの反論
FANへの異議がある場合、30日以内に下記のどちらかの方法で反論を行わなければなりません。
- 再確認依頼/再調査依頼
a)再確認依頼(Reconsideration)
既に提出済みの書類や証拠に基づき、PANへの反論及び再考を依頼します。
b)再調査依頼(Reinvestigation)
新たな証拠に基づき、PANに対する反論を行います。この場合、FANから60日以内に追加の書類や証拠を提出し、再調査を依頼します。
その後FDDA(最終確定通知)が発行されます。各税目の最終的な追徴金額の記載があります。
FDDAの受領後は記載された金額を支払うか異議がある場合は、30日以内にCTA(税務裁判所)へ控訴を行う必要がございます。
上記が税務調査の一般的なフローになります。
次回は税務調査に入ったら、どのように対応すればよいかについてご説明致します。
東京コンサルティングファーム フィリピン・マニラ拠点
野島洋孝
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