こんにちは
Tokyo Consulting Firmの飯田 愛衣未です。
今回は、フィリピンにおける、移転価格税制の取り締まり強化について、3部にわけて要点をまとめて参りたいと思います。
これまでのフィリピンでは、
『移転価格は税務調査の対象になるため、いざ税務調査が入った時に、移転価格文書が用意されているべき』
といった、かなりざっくりとした、曖昧な内容のみがあるだけで、移転価格税制に関する企業側の対応について具体的な手続きが発表されておりませんでした。
今回、その具体的な対応方法としてForm1709という、新たな申告フォームの年次提出・及び移転価格文書の添付が求められることとなりました。
これによりBIRとしては、移転価格に関する税務調査がしやすくなるということになり、一方で企業にとっては、関連当事者間取引における、価格の妥当性の確認や見直しを行うことになります。
周辺各国同様、フィリピンにも移転価格税制の取り締まりが本格化する時代がやってきたといえます。
これはつまり、関連者間取引がある企業様にとっては、『知らない』『分からない』では済まされなくなってきてしまっている段階にやってきているということです。
では、「新しい義務としてしなければいけないことはなにか」については以下の通りとなります。
国外関関連者間取引の情報開示申告書『Form1709』を、年次確定申告書への添付書類として提出すること。
既にご存知の通り、年次確定申告は決算日より105日以内が期限となっております。
申告書への添付書類は、期限から15日以内に提出の必要がございます。
つまり、決算から120日以内にForm1709を、BIRを提出しなければいけません。
移転価格文書(Any Transfer Pricing Document)を含めた、関連者間取引に関する書類を、Form1709へ添付して提出すること。(期日はForm1709と同様)
本規則で定められた規定(申告義務)に違反した場合、税法250条に従い、違反ごとにPHP1,000、暦歴中に最大PHP25,000が課されます。
(※万が一移転価格について税務調査が入り、そこで指摘された場合の納付額とは別です)
では、具体的にどのような内容を記載し申告しなければならないのかについて、Vol.2に引き続きご案内して参りたいと思います。
弊社は、フィリピンへの進出から、その後の会計・税務・労務・法務まですべて対応しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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飯田 愛衣未
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