- 2020-2-13
- 税務
こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.89< BoA認証公認会計士による財務諸表作成の撤廃!>
今回は「BoA通達による財務報告ルールの撤廃」についてです。
2019年7月12日にBoA(会計委員会)より通達(BoA Resolution No. 36-2019)が公表され、BoAから要請のあった年次コンプライアンスが正式に撤廃されました。
当該コンプライアンスは、2016年当時にBoAの通達で定められた「法定監査を行う会計監査人とは別に、会計年度の総売上または総収入が1,000万ペソを超える企業の財務諸表作成は、BoAの認証を受けた公認会計士のみが行うことができ、かつBoA認証公認会計士が作成したことを署名する証明書(Compilation Certificate)を監査済み財務諸表に添付することを義務付ける」といった内容になります。
しかし、対象となる企業様にとっては、従前より不整合な点が多く、実務上の取扱いに苦慮するなど弊害が生じていました。
その理由は、年次コンプライアンスの一つである法定監査において、従前のBoA通達では、Compilation Certificateは監査済み財務諸表に添付され、SEC(証券取引委員会)、BIR(内国歳入局)に提出すると規定されていましたが、SECはこれまで一貫してCompilation Certificateの添付を求めておらず、BIRも同様に2017年2月の通達(RMC No. 16-2017)において、当局への提出書類を増やすことはビジネス環境改善に繋がるものではないとしてCompilation Certificateの提出が不要であることを明確にしていた為です。
そんな中、ようやく本通達において、過去に公表された一連のBoA通達の撤回が正式に決定され、BoAルール上も、Compilation Certificateの財務諸表への添付が不要になったという訳です。
よって、2019年度以降の法定監査においては、BoA認証公認会計士によるCompilation Certificateの発行は一切不要となりますので、ご注意ください。
*BoAはフィリピン公認会計士の資格発行や行動規制を司り、フィリピンの職業的専門家(医者、弁護士、公認会計士等)の規制を行うPRC(専門職規制委員会)の下に位置付けられる組織となります。
最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也
2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。