こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。
【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.73< BIR-ICCは取得不要!?フィリピン輸入ライセンス申請のプロセス簡素化! >
今回は、【2018年改正、輸入ライセンス申請の簡素化】をご紹介します。
日系フィリピン子会社の法務コンプライアンスチェックにあたって、輸入ライセンス申請・更新手続きの取扱いが論点になることがあります。
意外と知られていないのですが、2018年2月9日付けで財務省(DOF)から公布された輸入ライセンス申請手続きの変更に係る財務省令(Department Order No. 11-2018)により、従来輸入者に義務付けられていたBIRからの輸入者許可証(ICC:Importer Clearance Certificate)の取得が不要となりました。
今後、ICCの更新手続きにおいても不要となっていますので、ご注意下さい。
これまでは輸入者としての認定を受けるためには、2つの許可証が求められていました。
BOC-COR(関税局の登録書)
BIR-ICC(BIRの輸入者許可証)又は通関業者の場合はBCC(通関業者許可証::Brokers Clearance Certificate)
BIR-ICCについては、輸入に関連する不正や密輸の防止を強化する観点から、輸入者の納税者登録や税務コンプライアンスの状況をBIRが確認するという手続きが2014年2月に加えられ、義務付けられていました。
一方で、実務上、BIR-ICCを取得するために様々な書類やコンプライアンスが求められ、かつBIR内部における事務処理の遅れもあり、ICCを取得することが非常に困難となっており、6ヶ月~1年程の時間を要するケースも多々ありました。
今回、輸入ライセンス申請手続きが再びBOCに一元化されることで、申請者の事務負担が軽減されるとともに、従来多くの時間を要していたプロセスが迅速化を目的としております。
なお、DO No.11-2018では、税務コンプライアンスの問題については、四半期毎に輸入者と通関業者のリストをBOCからBIRに送ることを要求しており、両機関は認定を得た輸入者/通関業者の情報を共有すべきことが示されています。
また、BIRが輸入者の税務コンプライアンス違反を発見した場合、BIRは直ちにBOC
に通知することも規定されています。
*BIR-ICCの手続き不要に関する財務省令とBIR通達は以下を参照下さい。
・Do No.11-2018
・BIR advisory
実務上、現時点では輸入ライセンス申請は約3~4ヶ月程、更新は約2ヶ月程を見込んで頂ければと思います。
最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也
2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。
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