フィリピン改正会社法-Security Depositの増額-

会計

 

こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの大橋 聖也です。

【1分でわかるフィリピン進出のイロハ】
No.79<フィリピン改正会社法-Security Depositの増額->

 

2019年2月20日にドゥテルテ大統領が改正会社法に署名し、同月23日から施行されることになりました。

世界銀行の2019年版「ビジネス環境ランキング」で124位と低迷するフィリピンですが、今回39年振りに行われた会社法改正や現在進めている税制の近代化を目的とした税制改革によって、国際競争力が高まり、フィリピン進出が増えることを期待したいと思います。

今回は、改正会社法の中で、Security Deposit(預託保証金)の増額について取り上げていきます。

 

あまり馴染みのないSecurity Depositですが、外国会社の支店という形態でフィリピン進出する際には必須のコンプライアンス事項となります。

外国会社のフィリピン支店設立において、SECにて支店登記し、事業を行うためのライセンスを取得します。。
当該ライセンス取得にあたり、SECのライセンス発行から60日以内にSECに対してSecurity Depositが必要とされています。

また、60日に期限に遅れた場合、6,000ペソ程のペナルティーが課されますのでご注意下さい。
*撤退時にSecurity Depositは全額返還されます。

改正会社法によって、当該Security Depositの金額が、10 万ペソ⇒50 万ペソに増額されました。

 

さらに、通常は1年おきに更新が必要とされ、各事業年度終了後 6 か月以内に、一定の年間所得を超える支店については追加の預託金が義務付けられています。

改正会社法によって、当該基準額となる支店の年間所得が500万ペソ⇒1000万ペソと変更になりました。

今後、支店にて進出を検討する企業は、上記Security Depositの50万ペソを進出時の予算に組み込んでおく必要があるかと思います。

その他改正会社法による変更事項における対応は、既存企業については施行日の2019年2月23日から2年間のGrace Period(猶予期間)が与えられています。

また、今後随時、詳細な施行規則が発布されることが想定されますので、引き続き注視していきたいと思います。

 

最後に、2017年9月に弊社フィリピン本の第2版が、出版されました。
フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものとなります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立法務、会計税務、人事労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録していますので、
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。

 

今週もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

Tokyo Consulting Firm – Philippine Branch
大橋 聖也

2012年、東京コンサルティンググループに入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングを立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。2016年10月より、フィリピン支店の拠点長として世界に活躍のフィールドを拡げ、真の顧客貢献を目指す。

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