フィリピンでの社員の解雇①

労務

 

TCFフィリピン駐在員の日比野です。

 

本日はフィリピンでの社員の解雇について触れます。フィリピンにおいて、大きな問題となりやすいのが労働問題。企業活動を行う中で、やむを得ず解雇する必要が出る可能性があります。ここで解雇された社員が労働局(DOLE)に訴え、裁判になるケースが往々にしてあります。今週からはフィリピンの社員の解雇について紹介します。

 

フィリピンでの解雇の特長

労働者保護に手厚いフィリピンでは、特に正社員雇用後の解雇は難しくなります。しかしながら、正社員になる前に最大6カ月の試用期間中(Probation Period)の設定が可能です。その期間中の解雇において、正式な手続きを行っていれば比較的容易に解雇を行うことができますので、使用期間中の見極めは非常に大事になっております。

 

試用期間中の従業員のパフォーマンスが悪く、解雇をしたいという連絡をいただきますが、むやみに解雇を行う前に、上司による個別面談で、じっくり冷静に話し合い、従業員の方の悩みを聞いてあげることが肝要です。話を聞いた後で、会社の方針を伝えるのがよいと思います。

 

本人の態度やパフォーマンスが今後変化するのであれば、もう少し様子を見てみるのも良いかもしれません。一方本人のモチベーションが続かないのであれば、穏便に話し合いを行い、自分から辞職するように合意を得ると良いでしょう。悪い状態のまま正社員になってしまうことを避けるためにも、早めの対応を行う必要があります。

 

なお、やむを得ずフィリピンで解雇をする場合、試用期間中であっても書面による事前通知(2週間~1カ月程度)が必要とされており、事前通知なしでいきなり解雇をすることが認められていません。

 

来週は、正社員として解雇を決断したときの、会社が取るべき適正手続きについて触れます。

 

それでは今週も宜しくお願いします!

 

株式会社東京コンサルティングファーム

国際事業部 フィリピン支社 日比野和樹

 

 

 

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