こんにちは、フィリピン駐在員の大橋です。
今週のブログは、第2版!!フィリピン本の出版のご連絡をさせて頂きます。
是非、本屋又は弊社宛にお問合せ頂き、手に取っていただけますと幸いです。
以下、第2版フィリピン本からの一部抜粋となります。
今回、第2版となる本書は、フィリピンへの進出実務を最新の情報にアップデートすると共に、弊社フィリピン拠点における6年間のコンサルティング実務の経験を盛り込んでまとめ直したものです。
進出をお考えの企業の皆様、そして現在フィリピンにおいて活動されている日系企業の皆様には、ぜひお手元に置いていただきたい一冊となりました。
2016年、日比国交正常化60周年を迎え、天皇皇后両陛下がフィリピンへ初めて訪問するなど、歴史的にも日比関係が大きく前進した1年となりました。
両国間の交流をみると、2015年6月に当時現職の大統領だったベニグノ・アキノ3世の来日、2016年1月に天皇皇后両陛下の訪比、同年10月に第16代大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏の来日、2017年1月に安部総理大臣が訪比など活発に交流が行われており、フィリピンに対する関心の高まりを感じます。
そして2017年、ASEAN設立50周年の節目の年にフィリピンがASEAN議長国となりました。
これまで「ASEANの落第生」と言われてきたフィリピンの経済成長は、2011年には欧州債務危機の影響などで減速しましたが、2016年にはGDP成長率6.8%を達成しており、ASEAN各国の中でも高い成長率を誇る新興国の一つとして注目を集めています。
人口動態においても、2014年には遂に1億人を超え、2045年ごろには生産年齢人口の総人口に占める割合がピークを迎えると予想されており、少子高齢化が進む日本と人口増による雇用拡大を進めるフィリピンの関係は更に加速し、フィリピン経済を長期的に牽引していくものと考えられています。
それに応じて対内直接投資額(認可ベース)に関しても2015年には前年比3割増の2,452億ペソとなり、高い水準を維持しています。また、2006~2015年における日本からフィリピンへの累計投資額は4,863億ペソとなっており、日本はフィリピンにとって最大の投資国となっており、新たな進出先として見直されつつあります。
またグローバル経済情勢から考えると、「モノづくり企業の中国離れ」・「活発化するASEANへの製造拠点のシフト」が一層進む中、BPOによるコールセンター売上がインドを抜いて世界一、国民のTOEIC平均スコア700点以上と言われる抜群の英語力、そして平均年齢23歳といった豊富な労働力を活用しながら、輸出型企業としてだけでなく「人を生かしたグローバル拠点」として進出の多様化が進むものと考えられます。
国内には350以上の経済特区が設置されており、多くの海外企業が拠点を構えています。地理的にも、日本から直行便で4~5時間でアクセスできるといったメリットを有しています。
しかし、投資メリットが高い反面、インフラの整備の遅れや不安定な治安・社会情勢、労働組合が過激であることによる労働問題、煩雑な経理業務や会計監査などのリスクが付きまとっています。
そして、フィリピンでは国外労働への経済依存度が世界一の国です。OFW(Overseas Filipino Workers)と呼ばれる出稼ぎフィリピン人労働者による海外からの送金がフィリピンのGDPの約1割を占めており、とりわけ、高給の熟練労働者の海外流出の増加は国内における人材確保を難しくさせ、進出日系企業にとって悩みの種となっています。
このように、マーケットとして非常に魅力のある国であるにもかかわらず、多くの課題があることもまた事実です。そのため、日本でのビジネス以上によりグローバルな視点でビジネス環境の変化に合わせた経済取引や法規制への対応が重要となります。
中でも本著はフィリピンの基本的な投資環境から、設立、法務、税務、会計、労務、M&Aに至るまでフィリピンでのビジネス展開に必須な情報を網羅的に収録しています
本書が日本企業並びに日本・フィリピン両国の発展の一助となれば幸いです。
今週も、どうぞよろしくお願い致します。
以上