フィリピンにおける進出形態② 支店

経営

皆さん、こんにちは。

 

東京コンサルティングファーム フィリピン支店の

伊藤澄高です。

 

今週も引き続き、進出形態についてお客様のご質問にお答えいたします。

 

Q)支店という形で、フィリピンに進出したいと考えています。支店と現地法人はどのような点において違いが出るのでしょうか。

  

 

A)支店は現地法人と同じように営業展開、売り上げを上げることが可能です。フィリピンに支店を設けるためには事業ライセンス(License To Transact Business in the Philippines)を取得する必要があります。その際、証券取引委員会(SEC: Securities and Exchange Commission)に親会社の財務状態を開示し、証券取引委員会に登録をすることでライセンスが発行されます。

 

現地法人と支店は同じ法人として扱われますが、以下のような違いがあります

 

【活動範囲の制限】

支店は現地法人と同じように営業活動をして売り上げを上げることができますが、外国投資法に従い、外国投資ネガティブリストに載っている活動は禁止されています。

 

【最低資本金】

フィリピン市場で事業活動をするには、下記運転資金を海外から送金しなくてはなりません。

 

・最先端技術を用いず、50人以上の直接雇用をしない場合は20USドル以上の運転資金

 

・最先端技術を用いている、もしくは50人以上の直接雇用をする場合は10USドル以上の運転資金

 

・輸出型企業の場合は5,000ペソ以上の運転資金

(5,000ペソでは少ないというSECの指摘が入る可能性があるため、10万ペソ以上が望ましい)

 

 

【代表者】

支店を設立するにあたり、居住代理人を選定する必要があります。法令順守、支店に送られてくる召喚状を受理する責任があります。代理人は外国人でも問題はありませんが、フィリピン居住者であることが必要になります。(1年以上滞在できるビザを持っている)

 

【財務諸表】

支店が事業を通じてフィリピン側で発生した所得に対して現地で納税をする必要があります。支店の場合、たとえ支店が赤字だったとしても親会社側の所得で通算することにより、親会社が支払うべき納税額を減少させることが可能です。

 

また、支店にした場合、何か違法行為などがあった際には親会社に対して責任が及ぶ、ということもご留意いただければと思います。

 

 

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

 

東京コンサルティングファーム

フィリピン支店

伊藤澄高

 

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