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税務

こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

日本ではあまり意識することのない税金ですが、フィリピンに赴任され、ご自身が管理部門にも関わる中で、税金にも精通しなければならなくなった、という方も多いのではないでしょうか。今回は、初歩的な話になるのですが、源泉徴収制度の概要をお伝えします。

フィリピンではインターネットによる納税申告(EFPS::Electronic Filing and Payment System)も認められていますが、会計税務では実務上マニュアル(手書き)での作業のほうが一般的です。そして、マニュアルとEFPSで期日が2~4日程度ずれることがありますので、ご自身の採る申告方法にも注意を払う必要があります。

通常、毎月末日から10日以内に、源泉徴収税の申告書提出及び納税を行います。ただし、12月分については翌年1月15日までとなっています。
また、納税の際、どの銀行からでも送金が可能というわけではなく、AAB(Authorized Agent Bank)というBIRから承認を受けた銀行からの送金でのみしか受け付けられませんので、注意が必要です。通常、外資の銀行は当てはまりませんので、設立の際などに現地の銀行の口座を作るようになりますが、それはこの税金の支払いを目的とすることが多いようです。
入金を終えたら、領収書(Slip)ならびに、申告書類へAABから「Received」(受領)印が押されますので、そのどちらも確実に保管しなければなりません。通常、これらの書類の保管は3年です。
なお、月間の申告には、Form1601-E、年間の申告には、Form1604Eを利用します。「税金が0、つまり取引を一切行っていない状態」だとしても、申告は必要であり、しなければペナルティが課される恐れがあります。これら、「どの税金を、いつ支払えばいいの?」という質問に答えてくれるのは、会社設立時にBIRから登録完了時にもらえる、COR(Certificate of Registration)です。
この書類は、会計事務所などに業務委託する場合にマストとなります。もちろん、当社もお客様からこれらの書類を見積の段階から必要とします。したがって、業務効率上、紙だけではなく、スキャンコピーとしてデータで保管し、本社や関係者とも共有されることをお勧めいたします。

以上

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