フィリピンの浮動株式基準の始まり

法務

東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店長の日比野です。

前回はフィリピン証券取引所についてご紹介をしました。今回は上場会社が気を付けるべき浮動株式比率基準についてお話します。

 

フィリピンには従来から、浮動株式比率基準が定められており、上場会社の発行済株式のうち10%以上は、浮動株式でなければならないという規制があります。

 

浮動株式比率とは、全発行済株式のうち固定した株主が保有していない株式の比率です。つまり浮動株とは、市場で流通する可能性の高い、常に浮動している株式となります。浮動株式比率が少ないほど、市場で株式の売買が行われず、あるべき株価を表していないケースが一般的です。

 

この浮動株式比率は従来、強く取り締まられていませんでした。しかし、2011年にはフィリピン証券取引委員会は、近年のうちに条件を満たすことを急遽要請しました。それから2013年にかけて関連する日系企業も対応に追われました。この際にいくつかの企業が上場廃止となり、フィリピン上場企業に出資をしている大手日系企業もその影響を受けることがありました。

 

 次回のブログではその後の行方について取り上げたいと思います。

 

それでは今週もよろしくお願いいたします。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹

 

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