皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ、ミャンマー拠点の近藤貴政です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「ミャンマー従業員退職時の給与計算」についてお伝えします。
目次
【ミャンマー従業員退職時の給与計算】
ジョブホッピングが比較的盛んなミャンマー、退職時の対応はそつなくこなしたいものですが、その給与計算には細かなルールが存在します。
まず、従業員の退職に際して確認しなければならない項目を以下の通り列挙します:
1.退職が雇用主による解雇であるか、従業員による辞職であるか
2.通知期間は何日あって、月末に退職するか、月中に退職するか
3.未消化の年次休暇が何日残っているか
4.在籍期間中の全給与でもって、個人所得税の納付額があるか
それぞれ以下の通り対応が分かれます。
1.
退職が雇用主による解雇Termination / Dismissalである場合、法的な手続きを踏んだ懲戒解雇でない限り、原則として解雇手当Severance Payを支払う必要があります。こちらは、勤続年数によって異なり、基本給をベースとして計算する必要がある点、注意しましょう。
この解雇手当は個人の所得と考えられるものではありますが、税務当局は個人所得税の対象外であるという判断をしています(TCF調べ)。
一方、従業員による辞職Resignationである場合は、特に解雇手当の支給は必要ありませんが、下記2.の通知期間に留意が必要です。
2.
通知期間Notice Periodは、通常の雇用契約書に基づけば最低1か月必要ということになりますが、雇用主側が解雇する場合には期間を短縮するにもその分の給与を支払う必要がある(=どのみち1か月分の給与は支払うことになる)のに対して、従業員側の試食の場合は、期間が1か月に満たずとも特段の罰則は設けられず、最終日までの期間分支払いを行うことになります。
従業員の最終給与は最終勤務日に支給する必要があるため、期間が短くなって給与計算が間に合わないという場合には、いつまでに支払うという点について、予め従業員と合意を取り付けておくといいでしょう。
また、社会保険料SSBの支払いは原則として各月に1度行われればよいため、最終日が月の途中ですぐ次の仕事が始まるのであれば、次の雇用主の元でSSBが支払われることを見越して、社会保険料を控除しないなどの対応も従業員から求められる可能性があります。
3.
ミャンマーの年次休暇はCasual LeaveとEarned Leave、またMedical Leaveに区分されますが、退職時に残存していると買取の義務が生じるのはEarned Leaveのみとなります。
従業員が業務の引継ぎに必要でないという場合には、通知期間中にできる限り年次休暇を消化させることが推奨されます。
勤務最終日までEarned Leaveが残存する場合、一日単位の基本給を計算したうえで、残存日数(0.5日単位)を掛け合わせて買取金額を算定します。
年次休暇の買取金額は、給与所得の一部と考えられるため、個人所得税の課税所得として算入することになります。
4.
通常、個人所得税の計算は、税務年度(4月~翌年3月)最終日までの期間で計算しますが、退職日までの勤続期間で計算したとき、年度末までの残りの期間の所得がなくなるため、場合によっては過払いとなる可能性がある点、注意が必要です。
個人所得税は過払い金額の繰越が可能で、翌年度の納付額と相殺できるため、個人所得税の過払いが生じた場合、必ずしも従業員に払い戻す必要はありませんが、過払い金額が生じたという事実を、納税金額通知書Form 15(A)を発行して従業員に通知しておくことが求められます。
以上のように、退職時の給与計算を行い、予め合意した方法で支給します(現金、小切手、銀行振込等)。
計算間違えをして、給与の過払いをしてしまえば、返金が難しくなるなどトラブルもあり得るため、慎重な対応が求められます。
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株式会社東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
近藤 貴政
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