
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ、ミャンマー拠点の渡辺 晃です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「2025年版:ミャンマー会計①」についてお伝えします。
目次
【2025年版:ミャンマー会計①】
要約
- 現行の法令はMAC Law 2015とMCL 2017(2018年運用開始)であり、届出はMyCOで行います。
 - 会計基準はMFRS(IFRS整合)で、SMEs向け基準も用意されています。
 - 基準設定はMACが担い、監査品質はAMCが監督します。
 - 会計年度は2022年以降 4/1–3/31に回帰しています。税務・会社法関連の提出は期末から原則3か月以内です。
 - 帳簿はミャンマー語または英語で作成できます。
 - Annual Return(AR)は全会社に提出義務があり、公開会社は監査済み財務諸表の提出が必要です。小規模会社には一部免除があります。
 - 支店・駐在員事務所にもMyCOでの年次届と財務情報の提出義務があります。
 - 税務申告はIRDへ行い、原則期末後3か月以内に提出します。
 - 税務関係書類の保存期間は原則7年です。
 - 実務上は会社法(DICA/MyCO)と税務(IRD)を二本立てで期限管理し、監査スケジュールを前倒しで設計することが重要です。
 
法令の基盤
現在の会計制度は、2015年制定のミャンマー会計審議会法(MAC Law 2015)と、2017年制定・2018年本格運用のミャンマー会社法(MCL)を柱として運用されています。1994年の会計審議会法は歴史的役割を終えており、実務上の根拠は2015年法と会社法、そして会社登記・届出のオンラインプラットフォームであるMyCOに移行しています。
制度の主体
会計基準の設定主体は、現在もミャンマー会計審議会(MAC)が担っています。加えて、監査品質の監督機能としてAudit Monitoring Committee(AMC)が設けられ、基準設定と品質管理の役割分担が明確化されています。これにより、制度の透明性と実効性が以前よりも高まっています。
会計基準
ミャンマーでは、IFRSに整合した枠組みとしてMFRS(Myanmar Financial Reporting Standards)が採用されています。上場企業や一定規模以上の企業はフルIFRSに対応した報告が求められ、中小企業向けにはMFRS for SMEsが用意されています。いずれも国際会計基準との整合を重視した運用が基本方針です。
会計年度
国家の会計年度は、2018年から2021年にかけて一時的に「10月1日〜翌9月30日」へ変更されましたが、2022年以降は従来どおり「4月1日〜翌3月31日」に回帰しています。法人は自社の決算期を適切に定めたうえで、期末から原則3か月以内に関連する申告・提出を完了する必要があります。実務では、税務・監査のスケジュールと整合させて決算日を設計しておくことが重要です。
帳簿の言語
帳簿はミャンマー語または英語で作成することが認められています。海外親会社との連結や監査対応を踏まえると、英語ベースの帳簿・注記整備が実務上は有利に働きます。いずれの言語を採る場合でも、原始証憑との整合と監査対応可能な記録性を確保することが求められます。
提出・開示(会社法側)
すべての会社は、MyCOを通じて年次届(Annual Return)を提出します。公開会社は、年次届と同時に直近の監査済み財務諸表の提出が求められ、一般の会社についても規模や類型に応じて監査済み財務諸表の提出が必要になります。一方で、条件を満たすスモールカンパニーには一部提出義務の免除が認められています。これらの要件は見直しが行われることがあるため、毎期の手続前にMyCO上の最新様式とガイダンスを確認することが大切です。
海外法人(支店・駐在員事務所)
外国企業の支店や駐在員事務所についても、MyCOでの年次届出および財務情報の提出が求められます。期末後の提出期限は比較的短く設定されていますので、現地会計・本社決算・監査の進行管理を前倒しで行い、MyCO上の必要書式を早期に確定しておくことが望ましいです。
税務提出
税務関連は内国歳入局(IRD)への申告が中心で、法人税の年次申告は原則として期末から3か月以内に行います。会社法上の提出(MyCO)と税務申告(IRD)は所管が異なるため、両者の期限と必要書類を別々に管理し、齟齬が生じないよう社内の締切カレンダーを整備しておくと安心です。
帳簿保存
税務書類の保存期間は原則7年間とされています。電子帳簿・電子証憑を活用する場合でも、監査や税務調査に耐えうる形で原始性と完全性を確保し、社内規程で保存責任者とアクセス権限を明確化しておくことが実務上のポイントです。
②に続く
無料会員登録をされてない方は、以下のボタンから必須項目を入力後、
メールに届くパスワードを入力するとブログを閲覧できます。
この記事に対するご質問・その他ミャンマーに関する情報へのご質問等がございましたら
お気軽にお問い合わせください。
※画像クリックでお問い合わせページへ移動します
【PR】海外最新ビジネス情報サイト「Wiki Investment」
※画像クリックでWiki Investmentページへ移動します
進出予定の国、進出している国の情報本当に分かっていますか?
進出してビジネスを成功させるためには、
その国の知識や実情を理解しておくことが必須となってきます。
しかし、情報が溢れかえっている社会ではどれが本当に信頼できる情報なのか?が
重要になる要素かと私は思います。
そんな「信頼できる情報」をまとめたサイトがあれば、どれだけ楽に情報収集ができるだろう…
その思いから作成したサイトが「Wiki Investment」です!!
弊社東京コンサルティンググループは海外20カ国超に拠点を有しており、
その現地駐在員が最新情報を「Wiki Investment」にまとめています。
【Wiki Investmentで何ができる?】
・現地駐在員が毎週ホットな情報を更新するNews update
・現地に滞在する方からご質問頂く、
 より実務に沿った内容が記載されているQ&A集
・当社が出版している海外実務本をデータベース化したTCG書籍
などの新機能も追加しました!
経営者・幹部層の方におススメしたい【全ての経営者へ贈るTCGブログ】
※画像クリックで「TCGブログ」ページへ移動します
会社経営や部下のマネジメントをしていると、様々なお悩みって出てきませんか?
・どうしたら、会社は良くなっていくんだろう・・・
・部下が育ってくれるにはどうしたらいいんだろう・・・
そういったお悩みをもつ経営層の皆様におススメしているブログがございます。
コンサルティングファームとして、これまで多くの企業様と関わり、
課題を解決してきたコンサルタント達による
経営課題や悩みについて解説したブログを無料公開しております。
もっと会社を良くしたい!、マネジメントについて学びたい!
そうお考えの皆様におススメのコンテンツとなりますので、ぜひご覧ください!
株式会社東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
近藤 貴政
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。














