ミャンマーの産業別動向~今、ミャンマーはこう動いている~

税務

 

ミンガラーバー、
東京コンサルティンググループ
ミャンマー支社の西野由花(にしの ゆか)です。

前回まではミャンマーの輸出・輸入のトレンドなどをご紹介してきました。
それでは、実際のミャンマー国内における産業は今どのようになっているのでしょうか。
今回はミャンマー国内の産業別動向についてご紹介したいと思います。

 

ミャンマーの産業別GDPを見てみると、農林水産業が約2.6割、鉱工業が約3.4割、サービス業が約4割となっています。農業人口は軍事政権時代から伝的に高く、典型的な農業国と言えます。
しかし、近年の経済成長はエネルギー輸出にけん引されつつも、内需が拡大してサービス業が成長しており、GDP比率で4割程度に成長しています。本格的な工業化はこれからですが、特に労働集約的な製造業にポテンシャルがあると言われています。
また、今後の産業動向については、付加価値生産が盛んになると予想されています。

 

・農業
ミャンマーは東南アジア大陸部で最も広大な国土を持ち、土壌や河川など農業に適した環境の農業国です。
特に、軍事政権に農業に重点を置いた政策のもと作付面積の増加が図られ、GDPに占める農業の割合は4~6割を占めてきました。しかし、近年の経済成長によるサービス業の伸びによって、2009年に4割を切り、2017年には2.6割にまで縮小しました。
さらに、農村人口は全体の70%を占めていますが、若年層は都市部・海外への流出が多く農業従事者はここ数年、高齢化と人口の減少傾向が続いています。
ミャンマー若年労働者の流出先はタイをはじめとしたASEAN諸国、韓国や台湾、中東諸国となっており、ここに技能実習生の獲得を目指す日本が加わっています。
しかしながら現状主要な産業であることには変わりがなく、機械化、近代化といった技術・ノウハウの積極的な導入が必要であるとの声もあります。
主要作物はコメ・サトウキビ・豆類で、特にコメを主要作物として 重要視しています。

 

・天然ガス・石油
ミャンマーの天然ガスの生産量は21世紀にはいって増加していましたが、近年は減少傾向にあります。特に、タイまでパイプラインがつながっているアンダマン海のイェタグンでの生産量が最も大幅に減少し、2018年の1月から2月にかけての一日当たりの生産量は、2014年10月時点と比較して約55%減少しました。ほかのガス田においても程度の差はありますが減少傾向がみられています。
そのほか、ミャンマーの大水深は未知の部分が多くありますが、この地域には有望な鉱区が複数あり、タイ国営石油会社(PTTEP)や、三井石油開発やJX開発等日本企業が共同開発していました。
さらに。未開発の深海鉱区の開発権益には、欧米メジャーや、中国、タイ、日本、韓国等数10社が参加の意思表明をし、2013年には、海洋及び陸上の鉱区国際入札が実施され、第一次海洋工区入札には世界中から30社が入札に参加、シェブロンやシェルの石油メジャーを含む18社が鉱区を取得しました。
これらの中には開発が進んでいる鉱区がある一方、これまでに9つの鉱区が開発リスクとの費用対効果、ミャンマーのPSC(生産分与契約)の商業条件などの理由から放棄されています。
このような状況下の中、ミャンマー政府内ではPSC契約の内容の見直しの動きが加速しています。

 

・縫製、履物

中国・タイにおける人件費高騰に伴い、ミャンマーへのチャイナプラスワン、タイプラスワンの動きが加速していますが、その最も顕著な分野が縫製や履物などの労働集約型の製造業です。ミャンマーでの人件費はおおよそ中国の2割、ベトナムと比べても3-4割と言われ、今後はグローバルなサプライチェーンの中で、労働集約的な製造業の受け皿になることが期待されています。
輸出入の記事での紹介したように、紡績、紡糸など繊維産業の川上分野が未熟なミャンマーにおいて、縫製業の業態は、記事を中国やインドネシアなどから輸入して、国内で縫製し、日本や韓国へ完成品を輸出する委託加工取引(CMP)です。
EUやアメリカ市場への輸出の増加などからさらなる成長が期待される分野ですが、カンボジアやバングラディシュなどとの国際競争がより厳しくなることも必至です。
欧米などの外資も呼び込んで、CMPに限らずに自主生産輸出(FOB)の比率を上げられるかどうかが、今後の繊維産業育成のカギと言われています。

 

・木材
ミャンマーは地理的に広範で気候帯も多様であるために、様々なタイプの森林があります。
国土の森林率は減少傾向にありますが、約4割と依然として多くを占めています。
中でも熱帯雨林帯にある混交落葉樹林では高級木材であるチーク材が取れることが有名で、正解の8割近いチークがミャンマーにあると言われています。
ミャンマーの森林はほぼすべてが国有林で、森林保護を理由にチークの伐採は林業省によって制限されており、2014年4月から原木(丸太木材)の輸出は禁止されていますが、横行する違法伐採に苦慮しています。
また、2017年から国営ミャンマー材木企業のみが許されていた材木の切り出し及び販売・輸出ですが、輸出量を減少させています。これにより、国内でミャンマー木材を加工し、付加価値を付け輸出することで国内の木材加工産業を活性化させるねらいがあるのではないかと考えられる一方で、外貨獲得の弊害になるのではという心配の声も上がっています。
今後のミャンマー政府による環境保護と産業育成のバランスの良い舵取りが求められるところです。

 

ミャンマーの産業別動向はいかがでしたでしょうか
農業から工業、そしてサービス業へとミャンマーの主要産業も徐々に変化していく中、高齢化や環境保護といった日本と同様の課題にミャンマーも直面しています。
ミャンマー政府も日々法令の整備などを行いミャンマーの発展を目指しています。
そしてミャンマーはついに後発途上国を脱却できるとの見通しが国連アジア太平洋経済社会委員会から発表されました。
ミャンマーの発展はどれほどなのか、そして後発途上国から脱却することにどのような意味があるのか。
次回は「ミャンマーと後発途上国」についてお話します。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)
ヤンゴン駐在員
西野 由花

Tokyo Consulting Firm Co., Ltd (ミャンマー)・ヤンゴン駐在員
西野由花(Nishino Yuka)

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