説明できますか?~財務3表~

会計

こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの吉田 幸弥です。

今回のテーマは「財務3表」です!
ちなみに、「財務3表」と聞いて何を思い浮かべますか?

おそらく財務3表なんて知っているよという方もいるかと思います。

 

では、「財務3表」を言葉で説明できますか?
また、「財務3表」の目的を説明できますか?
そもそも “財務” を言葉で説明できますか?

 

“財務”については前回のブログにて記載しておりますので、以下のリンクをご参照ください。
「説明できますか?~会計・経理・財務の違い~」

 

【財務3表とは?】

財務3表とは、以下の3つのことを指します。

 

・貸借対照表

決算日時点での財政状態を表すもの

どうやってお金を集め、そのお金をなにに使ったかが把握できます

 

・損益計算書

1年間で営業の状況を表すもの

売上から原価や人件費などを差し引いて、どれだけ儲かったかが把握できます

 

・キャッシュ・フロー計算書

1年間のお金の流れを表すもの

営業活動、投資活動、財務活動など、各活動でどれだけのお金を獲得できたかもしくは使ったかが把握できます

 

 

【財務3表の目的】

なぜ、財務3表は重要なのか?

前回のブログで説明したように

“財務”の目的は「現状把握した上、具体的な行動移していくため」です。

 

つまり、財務3表とは、

お金の流れや儲けを把握し、行動に移していくための材料として使われます。

 

また、財務3表は誰のためにあるのか?

それは、「利害関係者」と「経営者」のためにあります。

 

・利害関係者のため

会社に通常、株主や金融機関、取引先などの利害関係者がいます。

会社の事業活動は利害関係者との取引などの関わりをもって、行われているのです。

 

利害関係者に対して、会社の健康状態や経営成績を知らせるために必要とされています。

株主や金融機関、取引先などは財務3表を見ることによって、投資をするのか、貸付をするのか、取引をするのかを判断します。

 

 

・経営者や管理者のため

経営者や管理者は財務3表を読み、分析することにより、会社の方向性や戦略、

プロセスや人事に関する施策を決めることが出来ます。

例えば、予算管理や原価管理などに役立ちます。

 

予算管理の場合、

会社を経営していくために必要な資源(人材・物資・資金など)を、どのくらい調達をすればいいかを把握することが出来ます。

また、一定の期間ごとに、予算を決め、予算に対する達成度合いを管理することにより、

どこに手を打てばいいのかを把握出来ます。

原価管理の場合、

材料や人件費、製造経費などの原価を把握し、コストを「見える化」出来ます。

これも予算管理と同様、目標値を設定し、実際と比較することにより、PDCAを回すことが出来ます。

 

つまり、業績の管理や中期経営計画など、経営者が方向を示していくために、

必要不可欠なものとなります。

これがないと、実態がわからず、感覚ベースでの経営になってしまうのです。

 

 

メキシコに進出されている会社の場合、

ほとんどの会社でこの財務3表を作成していると思います。

 

しかし、この財務3表を活用して分析している方は少ないのではないでしょうか。

その一つの原因として、メキシコの会計がわかりづらいという理由があげられます。

 

メキシコの会計では、税務会計がメインとなるので、

通常、メキシコで記帳されたものを日本と同様に管理の視点で視ることは難しいかもしれません。

 

さらに、メキシコ独自の記帳の基準が設けられています。

 

例えば、福利厚生費や旅費交通費の損金算入不算入項目がある場合、

日本では福利厚生費や旅費交通費の中で損金算入と損金不算入をわけます。

  • 福利厚生費(損金算入)
  • 福利厚生費(損金不算入)
  • 旅費交通費(損金算入)
  • 旅費交通費(損金不算入)

 

そのため、福利厚生費や旅費交通費にいくら使ったのかはその科目を見ればすぐにわかります。

 

しかし、

メキシコでは福利厚生費や旅費交通費などの損金不算入項目は「Non deducible」という科目で

処理されてしまいます。

 

福利厚生費(損金算入)

旅費交通費(損金算入)

Non deducible

※この科目に福利厚生費(損金不算入)と旅費交通費の(損金不算入)が両方含まれます

 

そのため、福利厚生費や旅費交通費に使ったのかはその科目だけを見ても正確にはわからず、

「Non deducible」の内訳も確認する必要があります。

 

しかし、「Non deducible」の内訳を毎回確認して、集計するのは大変です。

なので、メキシコでは記帳を行う際に、ひと工夫が必要になってきます。

(その他にも売上の計上基準など、ややこしいことがありますが割愛します)

 

また、記帳の言語がスペイン語であるにも関わらず、

英語を話せる会計士が少ないので、わかりづらさは増しますね。

 

日本語ならわかることも言語が違うと理解しにくい部分も出てくるので、

私もここは最初、本当に苦労しました。。。

 

このように、メキシコの会計を意思決定に使用するには、

ある程度の工夫が必要になってくるのです。

 

今、メキシコで作成されている会計は、

財務3表の目的を満たすような会計になっていますか。

 

税務のためだけの会計になっていませんか。

 

今回を機に改めて、記帳のやり方・財務3表の作成の仕方を見直してみてはいかがでしょうか。

 

今回は以上となります。

では、今週も頑張っていきましょう!

 

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株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
吉田 幸弥

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