管理者が陥る”日報”の罠

大中小、多くの会社で導入されている”日報”。
主に行動管理という観点で、外回りの多い営業職
などは重宝されています。

日報は、「毎日の報告」。

”下から上”へのコミュニケーションの
ツールでもあり、かつ、PDCという改善の
サイクルを回すための”行動検証”のツールでもあります。
毎日部下から日報が提出され、それに対して上司が
”フィードバック”を繰り返すことで、部下が少しずつ
成長していく。
部下も上司も”仕事をしている”という事で
これはこれで良いのですが・・・
一点だけ、注意すべき点があります。

そもそも、部下を管理する立場の上司は“管理職”であり
マネジメントにより成果をあげさせるというのが
一つの大きな役割になります。

成果をあげるために日報を活用するというのは大いに
結構なのですが、日報というのはあくまで”一日の結果”であり、
この一日の行動だけにフォーカスしていると、目先の成果に囚われ
長期の成果である“成長”、つまり”変化”を追う事が難しくなる事があります。
管理者の仕事はこの“変化”を追うこと、つまり“変化させ続ける”
ことであり、日々の仕事=オペレーションだけにフォーカス
してしまうと、本来追うべきものを見誤ってしまう事があります。

会社が小規模のうちは“成果=成長”となって目の前の
成果をあげ続けることが成長に繋がりますが、徐々に
会社が大きくなってくると成長を企画しない限り成果も
あがらなくなる、という事が起き始めます。

短期的には”今の成果”。
長期的には、”未来の成長(変化)”。
この二つが管理者に求められる役割であり、
特に変化のトレンドは”日々の変化(日報)”の
積み上げだけでは見えてきません。

そう考えると、この変化を捉えるのは
最低でも1週間程度が望ましく、
・フローの情報 ⇒ 日々の活動

・ストックの情報 ⇒ 一定期間の蓄積(週、月など)
日々に追われた管理者は、常に”緊急性”の世界で
生き続けることになります。部下も然りです。
会社組織では、役職が高くなればなるほど
組織にとって重要な仕事をする必要があります。

そのためにも、管理者、ミドルマネジメントは
”日常の成果”に囚われ過ぎず、より長期の”変化”を
追いかけ続けなければいけません。

毎日の活動を計量化、そして日々の活動情報を
統合し傾向を導きだし、そこから未来を予測し
今すべきことを企画する、という管理者の役割を
正しく認識していれば、”日報”は非常に有効な
成長ツールになっていくのだと思います。


株式会社東京コンサルティングファーム

代表取締役社長
増田 鉄矢

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