マレーシアにおける社会保証制度

労務

いつもお世話になっております。

東京コンサルティングファームマレーシア法人にて勤務しております、中村です。

 

今回は、マレーシアにおける社会保障制度に関して触れたいと思います。

 

■ 社会保障制度の概要

マレーシアでは、年金給付、労災給付等の社会保険制度、医療保障、感染症や生活習慣病等の疾病予防、健康の保持増進のための公衆衛生施策、高齢者、障害者、支援を要する児童や家庭等に対する社会福祉施策が展開されています。

社会保険制度については、日本のような全国民を対象とする制度設計とはなっておらず、民間労働者と公務員を対象とする制度が並存しています。

医療保障は英国の制度に由来し、マレーシア国民は公立の病院・診療所で、わずかな負担で受診することができます。

以下、厚生労働省『2018年海外情勢報告』を参考に見ていきます。

 

[健康保険について]

前述のとおり、公的な医療保険(国民健康保険)、介護保険、失業保険は存在しませんが、政府が一律医療補助を行っているため、公立の病院はわずかな負担で受診することができます。

[年金保険と従業員積立基金]

年金制度には民間労働者を主な対象とする従業員積立基金(EPF:Employees Provident Fund)と、KWAPという公務員を対象とする年金制度があります。自営業者や家事手伝い、外国人労働者についてはEPFへの加入が任意となっており、日本のような国民皆年金の仕組みにはなっていません。

 

マレーシアの退職年齢は、民間企業では通常は5 5歳でしたが、平均寿命が伸び(男7 2歳、女7 7歳)、退職後の生活のための貯蓄が不十分であることや、近隣諸国との退職年齢の差異等を踏まえ、2012年8月に、最少退職年齢を60歳とする法律が公布されました。一方、公務員の定年は、これに先立って2008年に58歳、2012年に60歳に引上げられました。

 

従業員積立基金は1951年に設立され、現在は1991年従業員積立基金法(EPF Act 1991)に基づき、財務省の監督下で退職給付制度を運営しています。すべての雇用者がEPFへの登録・拠出を義務付けられており、約5 0万社が登録しています。これらの雇用者の元で働いている民間労働者が主な加入者ですが、自営業者、公務員、主婦、外国人労働者等も任意で加入が可能です。

財源は、加入者の個人貯蓄口座に対する労使双方の拠出(確定拠出型)であり、各個人の積立金と資産運用による配当(2016年は約6%)を合わせて、退職時等の給付に当てます。拠出額は定期的に見直されており、2012年1月以降労働者は月収の11%、雇用者は前年より1%増えて同1 3%相当額を拠出することとされています(ただし、労働者の月収が5,0 0 0リンギットを超える場合の雇用者負担は1 2%のまま)。

6 0歳以降もEPFへの拠出を続ける場合は、労働者は月収の5.5%、雇用者は6.5%(労働者の月収が5,0 0 0リンギットを超える場合の雇用者負担は6%)を拠出します。

外国人労働者の場合は本人が月収の1 1%、雇用者が月額5リンギットを拠出します。いずれの場合も、労働者本人が定められた額以上

を拠出することが可能です。なお、雇用者拠出額は税控除の対象(給与総額の1 9%相当まで)であり、同様に労働者はEPF拠出と生命保険料を併せて最大6,000リンギットまでが税控除の対象になります。

運用については、EPFの投資資産は7,9 1 5億リンギットで、収益率は7.3%です(2017年末時点)。EPF理事会と併存する投資委員会が投資方針・戦略を決定します。


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東京コンサルティングファーム
中村 文香

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