【インドネシアのオムニバス法】 賃金の規定について

労務

こんにちは
本日は2020年10月5日に可決されたオムニバス法の中から、現在との変更があった点について解説していきたいと思います。

今回のトピックは、賃金の支払いについてとなります。

 

現在の労働法では」賃金基準の作成は、職位・役職・勤続期間・学歴・能力に留意し賃金構成と賃金基準を定める(第92条)」とされていますが、オムニバス法により「会社は賃金構成と賃金基準を定める」と修正されました。

このため、賃金構成・賃金基準は会社が独自の基準で作成することが可能となります。
※賃金が基本給と固定手当の場合、基本給の割合は基本給+固定給の合計額の75%以上である必要があります。

 

また、基本的にはインドネシアはノーワークノーペイの原則ですが、労働法第93条の第2項により該当ケースの場合には、賃金の支払い義務がありました。

 

第93条 第2項 に関しても以下の通り修正されています。

旧 ※赤字はオムニバス法により削除または変更

  1. 労働者が病気の場合。これは、女性労働者が生理の1日目と2日目に体調が悪く、就労できない場合を含むこととする。
  2. 女性労働者が、整理の1日目と2日目に体調不良で勤務することが困難な場合。
  3. 労働者が、本人の結婚、子供の結婚、割礼式、洗礼式、妻の出産・流産、親族の死亡により欠勤する場合。
  4. 労働者が国家に対する義務を履行するため出勤できない。
  5. 労働者が宗教的義務による祈祷を実施するため出勤できない場合。
  6. 労働者が契約した仕事を行う用意はあるが、経営者本人の過失により、あるいは経営者が回避可能であったはずの障害によって、経営者が働かせることができない場合。
  7. 労働者が有給休暇を取得する場合。
  8. 労働者が経営者の承認を得て労働組合の活動を行う場合。
  9. 労働者が会社からの教育プログラムに参加する場合。
  10. 労働者は、会社からの教育任務を履行する

 

  1. 労働者が仕事に来ないまたは彼らが働くことができないために仕事をしない場合。
  2. 労働者は、仕事以外の活動を行っており、起業家の承認を得ていて仕事に来ない及び仕事をしない場合。
  3. 労働者は契約した仕事を行う用意はあるが、経営者本人の過失または回避可能であったはずの障害によって、働かせることができない場合。
  4. 労働者が有給休暇を取得する場合。

1~4で規定されるものに関しての賃金の支払い額については今後規定されるとされています。
以前は、労働法に規定されている範囲で休暇かつ給与の支給を行っていたかと思われますが、今後は就業規則で企業ごとに明記していくような形になることが想像されます

また、生理休暇や病欠の際にも賃金を支払う義務がなくなるという解釈ができるためこの部分の法改正については実務上の扱いが判明次第、当ブログで解説いたします。


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木村 真也(きむら しんや)

若い時期から多くの経験を積み、人間力、国際力を高めようとする当社の考えに共感し入社。
入社後はインドネシアの法人設立の業務に携わり、労務法務及び会計税務の面でお客様のサポートを行ってきた。
日本の良さを世界に広めると共に、アジアに進出している日系企業の経営者に貢献し、アジアの発展への貢献を目指す。

 

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