Q&A 転籍/雇用契約書のサインについて

労務

今回は会社の人事労務上の問題として転籍と閉鎖ポジションに関する質問を検討しましょう

Q1
インドネシアに既存の会社を持っているA社は別会社としてB社を設立の予定です。B社の設立準備の中で、優秀な人材の確保/準備として採用活動を先に行いA社の社員として採用し、B社の設立後に転籍することを検討しています。このような場合の法律上の問題はなんでしょうか。

A1
優秀な社員が集まりづらい現状において企業にとって優秀な人材をいかに囲い込むかという問題は、企業の実運営上、最も大きな問題と言って過言でないでしょう。

法律上、転籍の特別規定がないので、労働法上労働者から請求があれば、支払う必要がありますが、転籍を前提として採用したにも関わらず退職金を要求するような労働者を使用するのもいかがなものでしょうか。A社としては、会社が成立後転籍すること前提に採用することをきちんと説明し、B社が設立した後に、雇用契約を結びなおすようにすればよいでしょう。

コンプライアンスの問題を気にするならば、A社の短期の契約社員として採用し、新会社設立後に本採用する方法もあります。もしくは、新会社と業務委託で締結する方法も考えられます。

Q2
インドネシアにおいて閉鎖ポジションというのを聞いたことがあります。すなわち、人事労務に関する業務はローカル人材しか行うことができないということを聞いたことがあります。そうならば、最初に締結する雇用契約書に、代表取締役がサインをすることは法律上問題あることなのでしょうか。

A2
確かに、人事労務に関する業務はインドネシア人の専権業務です。ただし、それは、マネージャーの職責の範囲の議論であって、日本人の代表取締役がサインをできないことにはなりません(できないと、人事労務に関する書類はマネージャーを採用しないと誰もサインできない矛盾が生じます。そのマネージャーの雇用契約書にはだれがサインをするかという問題もあります)。
したがって、代表取締役でもサインは可能です。

東京コンサルティンググループ
インドネシア現地法人代表
社会保険労務士 加藤大和

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