本社人事制度をインドに当てはめる⑦

 こんにちは。Gurgaon事務所の仁井いずみ(ニイ)です。今回は評価制度について触れていきます。

 前回は職務分掌で「あるべき社員像を明確にする」ことの重要性について書かせていただきました。今回はあるべき社員像の達成度を測る評価制度について詳しくみていきます。

インドに当てはめるポイント
 あるべき社員(理想の社員)は実績が良いことだけではなく良い職務態度や能力向上具合も求められます。それが書かれているのが職務分掌になるため、職務分掌と評価シートの項目は一致しているべきといえます。日本本社にも評価シートをインド法人にも導入するケースが多くありますが、それらの項目がインド人社員に当てはまるのか、当てはまる場合に項目の定義(職務分掌)が整っているかを確認する必要があります。ただしインド法人向けの職務分掌がある場合はそれを評価シートに反映すれば良いです。以下職務分掌がない場合の導入ポイントを記載します。 

  1. 評価項目を確認する
    日本の評価項目をベースに、取り入れるものそうでないものを決め、インド人教育に必要な項目を追加します。 
     
  2. 評価基準がぶれないように工夫する
    評価者によって評価結果が変わらないように定義付けをします。評価シートの中に簡単に入れるなど工夫します。
     
  3. ポジションに応じて重みをつける
    評価項目はだいたい3つのカテゴリー内に入っています。実績、態度、能力などです。ポジションに応じて主に求められるカテゴリーは異なります。マネージャーであれば実績重視、シニアであれば職務態度などです。点数を付けた後に重要なカテゴリーに重きを置くよう工夫します。 
     
  4. 職務分掌を整える。
    評価項目についてしっかり定義付けをするのが職務分掌です。評価時にも職務分掌を参考にする方が評価結果にブレが生じません。 
     
  5. フィードバック面談を実施する
    上司評価のみを評価結果とするため、その結果を社員にきちんと伝えて次期の成長につなげる必要があります。会社によっては自己評価と上司評価両方を行い、ギャップを確認しフィードバック面談の材料にする場合もあります。インド人は自己評価が非常に高いケースが多いです。評価基準が自己の努力度合いとなり会社基準で測れていないためです。フィードバック面談を通して社員に会社基準をしっかり理解してもらう必要があります。 

 次回は賃金制度について具体的に見ていきます。

以上

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