インドの女性の労働

 皆さんこんにちは。インド駐在員の中道です。

 チェンナイにきて半月が経ちました。チェンナイには高層ビルがなく、町の雰囲気は全体的にまだまだ発展途中だなという印象です。ここチェンナイには一際目を引く女性のポスターが沢山あります。日本と同じように選挙や政治家のポスターはよく見かけるのですが、町のあちこちに同じ女性が全身で写っているので、気になって社員に聞いてみたところチェンナイの市長のポスターだそうです。
 インド第4の都市と言われるチェンナイをとりまとめる市長が女性とは、なかなかインドも女性の社会進出が目立ち、喜ばしいことなのかもしれません。これまで出会った企業でもあえて女性の雇用を行う会社も多々あります。とはいえ、インドの女性にとって結婚後の就業は大変困難なもの。どうしても結婚後、妊娠後の就労の継続は難しい状況が後を絶ちませんし、逆に産休明けで復帰予定でも彼女たちの産休中の仕事のカバーをしなければならないという難しさはあります。女性の採用事情ですが、どうやら北よりも南の方が女性の社会進出は目立っているようです。

 今年の内務省の調査で首都ニューデリーの女性就労率は10.6%と、国内の大都市で最も低い水準だといわれています。内務省の登録長官・国勢調査委員長事務局の調査報告によると、最も高い就労率を記録した主要都市は南部タミルナド州コインバトールと同カルナタカ州バンガロールの25%。以下、タミルナド州チェンナイと同ケララ州トリバンドラムが20%、東部の西ベンガル州コルカタと西部マハラシュトラ州ムンバイが18%と続いています。
 一方で同グジャラート州アーメダバードは11.7%と、主要都市の中ではニューデリーに次いで低い水準にとどまっています。まぁこの統計は在宅業務も含まれているため、オフィスに通っている女性の比率は都会の方が格段に高いかもしれません。近年大都市圏で既婚女性の主な収入源である在宅業務が減少していることも就労率低下の一因でしょう。

 ただ、実際に女性の採用強化をしている企業様の話を聞くと女性は勤勉で就業時間中集中して働き続けることができるという利点を持っていますが、一方で役所や社外交渉の場面ではやはり男性に劣る部分があったり、どうしても相手側が差別してくる傾向があるようです。適材適所は否めませんが、女性は雇用機会を非常に大切に考え、同じ賃金でも格段に優秀な女性が集まりやすいと言われています。また事務所や工場の雰囲気を良くしたり、女性ならではの気遣いも体験できるでしょう。日本企業の繊細な心遣いや顧客志向の実現、5Sの徹底等に、彼女たちの力が必要になることがあるのではないかと感じています。

 さて、みなさんの会社ではいかがでしょうか。もちろん女性が入るからにはセクハラへの対応策や就業時間、彼女たちの安全で働きやすい環境を目指さなければなりませんが、私はインドの女性たちが男性と変わらずいきいきと働く姿を多々見てきて、今後の可能性を強く感じます。

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