インドの工場労働事情について

労務

昨今インドの工場における労働事情が注目されています。マルチ・スズキの暴動を受け、工場を運営している会社では真の原因は何か、対策をどうすべきか模索している方が多いと感じます。またインドにある外資企業の中でも特に日系企業でストライキが発生することが多いそうです。

工場で働くワーカー保護のために法律で給与や解雇について規定されています。会社がそのルールを守ることは当選ですが、インドでうまくいっている会社では、ワーカーの気持ちやモチベーション維持の方法を常に考えています。例えば、誕生日に簡単なお祝いをする、イベントを開く、表彰の場を設けるなどです。ただ現金を渡すのではなく、受け取る相手が喜ぶかどうかという視点からイベントを企画しています。また、多くの工場では雇用の利便性の面から契約社員を採用しています。同じ仕事でも賃金が安く、使用できる施設等も限られるといった不平等感から不満が起きているため、契約社員から正社員に切り替えるポリシーの導入もワーカーのモチベーション維持につながっています。

当然厳しいルール(時間厳守や生産性)も必要となりますが、一方で上記のような企画を実施することで高いモチベーションで仕事にあたらせることが可能となります。

また工場の場合、数百人規模のワーカーがいるケースも多くあり、人事マネジャーもその管理を行います。人事マネジャーはインド人が担当するケースがほとんどですが、日本人(マネジメントサイド)の言うことをそのままワーカーに伝えるなど、自分がされているのと同じように厳しく対応していることも多いと聞きます。その結果、ワーカーから信頼されない立場となっていることがあります。人事マネジャーの役割は経営方針を実行させるべく人を管理・動かしていくことにあります。しかしながら人事マネジャーが自分が信頼されていないことにも気づかず、マネジメントサイドのことをそのまま伝えていると、気づかないうちにマネジメントとワーカーの間に大きなギャップが生まれることになります。そしてそこからワーカーの不満が募ることになります。

つまり、マネジメント側はインド人マネジャーに任せきりにせず、彼らと方針や方法についてしっかり連携を取る、また社員が規律正しく高いモチベーションを維持できるように、厳しさと温かさのあるポリシーを作るということがポイントになるかと思います。

インド駐在員 仁井

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