カンボジアのQIPとは

その他

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の安藤です。

今回は、よく聞く「QIP」とは何かについてお話ししたいと思います。

 

QIPとは、適格投資プロジェクト(Qualified Investment Project)の略称です。

カンボジアの投資優遇制度で、投資許可は投資家または投資企業に対して発給されるのではなく、投資プロジェクトに対して発給されます。投資許可を得たプロジェクトは適格投資プロジェクトと呼ばれ、優遇措置が自動的に付与されます。

 

「改正投資法施行に関する政令第111号」の付属文書1、Section 2「優遇措置非適格の投資行為」にて、優遇措置の条件となる様々な分野における投資最小限度額や条件が定められています。

 

投資分野は、製品を輸出して外貨を稼いでくれるプロジェクト(輸出志向型QIP)、または、輸入していた製品を自国で生産し、これまで海外に吐き出していた外貨の流出をストップしてくれるプロジェクト(国内志向型QIP)の2つに区分されており、主に製造業が対象です。

商社、金融、建設、運輸、またレストランなどのサービス業などは基本的にQIPとしては認可されません。

 

QIPに付与される優遇措置内容は、以下の内容となります。

・法人税の免税または特別償却の適用

法人税の免税期間は、「始動期間」+3年間+「優先期間」(合計最長9年間)で構成されます。

始動期間は、FRC(最終登録証)発行日から最初に利益を計上する年、または最初に売上を計上してから3年間のどちらか短い期間が適用されます。

優先期間は、最長3年間となっており、プロジェクト内容(業種と投資金額)に基づき予算法によって定められます。

免税期間終了後は他の一般企業と同じく一律20%の法人税が課せられます。

特別償却の適用は、製造・加工工程において使用される新品又は中古の有形固定資産価額の40%を特別償却できる制度となっています。

 

・輸入関税の免除

輸出志向型QIPの場合、建設資材、生産設備、原材料の輸入関税の免除。

国内志向型QIPの場合、建設資材、生産設備の輸入関税の免除となります。

 

・輸出関税の100%免除

現行法に規定される場合を除き、輸出税を100%免税されます。

しかし、QIPが法人税免税を認められるには、年度ごとの「義務履行証明書(Certificate of Obligation Satisfaction)」を取得しなければなりません。

このように、カンボジアではQIPに該当することで、優遇措置を受け、よりカンボジアでの経営がしやすくなります。

 

今週は以上とします。

今週も読んでいただき、誠に有難うございます。

次回も皆様に有益な情報を提供できたらと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

カンボジア拠点

安藤 朋美

 

 

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