- 2020-3-24
- 投稿一覧
皆様、こんにちは。
カンボジアに駐在しております安藤です。
今回はカンボジアの給与計算についてお話ししたいと思います。
日本では、給与計算時に「所得税」というものを考慮して計算し、それを控除した金額を手取りとして支給します。
所得税は会社が従業員の代わりに国に納めることとなります。
カンボジアでは、日本でいう「所得税」を「給与税(Tax on Salary, TOS, Salary tax)」と呼んでいます。
「源泉～」となると「源泉徴収税(With Holding Tax)」と混同してしまうので、カンボジア人スタッフと話す時には気を付けましょう。
また給与を計算する際、手当なども支給するかと思いますが、これがフリンジベネフィットと見做されるかどうかも要チェックです。
今回は、給与税の計算をメインにお話しいたします。
給与税を算出する上で控除できるものは、扶養控除がございます。扶養者1名につき15万リエル（約37.5ドル）となります。
この給与税の計算は、非居住者と居住者で少し異なります。
（非居住者と居住者の定義については、今回は説明を省きます。）
非居住者は、給与税率は一律20％となっております。
居住者は、下記となります。（2020年2月アップデート）
| 給与額（リエル） | 給与額（ドル） | 税率 | 控除額（リエル） |
| 0 ~ 1,300,000 | 0 ~ 325 | 0 | 0 |
| 1,300,001 ~ 2,000,000 | 325 ~ 500 | 5% | 65,000 |
| 2,000,001 ~ 8,500,000 | 500 ~ 2,125 | 10% | 165,000 |
| 8,500,001 ~ 12,500,000 | 2,125 ~ 3,125 | 15% | 590,000 |
| 12,500,501 ~ | 3,125 ~ | 20% | 1,215,000 |
ドルはおおよそとなります。
実際の給与計算時は、ドルでの合計額から当月のリエルレートでリエルに換算し、給与額をリエルで算出することとなります。
また、居住者に対しては控除があります。これは、給与総額によって税率同様に異なります。
【例えば】
日本人マネージャーが月給3,500ドルだとします。
また下記情報も考慮します。
・リエルレートは4,050リエル
＜非居住者の場合＞
- 3,500 * 4,050 = 14,175,000 リエル（給与税対象額）
- 14,175,000 * 20% = 2,835,000 リエル（給与税）
- 14,175,000 – 2,835,000 = 11,340,000 リエル（リエルの手取支給額）
- 11,340,000 / 4,050 = 2,800 ドル（ドルの手取支給額）
＜居住者の場合＞
- 3,500 * 4,050 = 14,175,000 リエル（給与税対象額）
- 14,175,000 * 20% – 1,215,000 = 1,620,000 リエル（給与税）
- 14,175,000 – 1,620,000 = 12,555,000 リエル（リエルの手取支給額）
- 12,555,000 / 4,050 = 3,100 ドル（ドルの手取支給額）
このように居住者か非居住者かで税率が一緒でも少し給与税が異なってきて、支給される手取り額も異なってきます。
以上となります。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
安藤 朋美
※）記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社（株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.）は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。
