皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回は「目的」についてご紹介していきたいと思います。
経営者は、企業が存在する目的を常に明確にしておかなければなりません。
例えば、書籍「ビジョナリーカンパニー」では組織が存在する目的を明確にするために、以下のように重要な問いかけを紹介しています。
「この会社を閉鎖し、清算し、資産を売却することもできるのに、そうしないのはなぜなのか?」
つまり、なぜ事業をやらないといけないかを考えるのではなく、その逆、「事業をやめない理由は何か」、「やらない理由は何か」を考えなさいと説いているのです。そうすることで、紙の裏から光をあてて文字を読むように、自然と企業の存在する目的が明確になるのです。
こうして考えてみると、非常に多くの経営者が何をすべきかを考えすぎ、目的が明確でなくなり、その結果、従業員との意識に差が生まれたり、目標管理が追いつかなくなってしまうなど、たくさんの弊害が出てしまいます。
また、ポーターも同様にその著書において、「戦略の本質とは、何をやらないかを選択することだ」と説いています。
さらに、ドラッカーは、有名な話で次のように具体的に説明しています。
「ロールスロイスやキャデラックなどの高級車は低価格車と競争関係にあるのではない。交通手段としていかに優れていようとも、高級車を買う者が買っているものはステータスである。例えばキャデラックがミンクの毛皮や宝石や豪華リゾートでの休暇などと顧客の金を争っていることは、誰もが知っている数少ない例である。」
少し話は異なりますが、これを企業ではなく、自分自身として考えてみても面白いかもしれません。
自分がなぜ会計を勉強するのを辞めないのか、なぜこの会社を辞めないのか、なぜ人生を諦めないのか、などたくさんの「何をやらないか」が人それぞれあり、その問いに答える事で自分の目的を明確にできます。
澤柳 匠