IFRSにおける収益認識について②

会計

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はIFRSにおける収益認識について②をご説明いたします。

 

IFRSでは、IFRS15という規定が2017年1月1日以降に開始される事業年度から適用されることになります。この規定は「顧客との契約から生じる収益」です。

 その前までは限定的な局面に対応する規定しかありませんでしたが、これをもって売上高に関する包括的な基準が与えられたことになります。

 

前回のプログでは、コア原則とそれに伴うステップ5のうちステップ2までをご説明いたしました。今回はステップ3よりご説明いたします。

 

ステップ3 取引価格の算定

 

取引価格の決定に当たっては、次のすべてを考慮する必要があります。

 

1変動対価

2変動対価の見積りの制限

3契約における重大な財務要素

4現金以外の対価

5顧客に支払われる対価

 

 

ステップ4 履行義務への取引価格の配分

 

複数の履行義務で構成されている契約については、各履行義務の独立販売価格の比率に基づいて、取引価格を各履行義務に配分します。

 

ステップ5 履行義務の充足

 

顧客に約束した財またはサービスを移転することによって履行義務を充足した時、または履行義務を充足するにしたがって、収益を認識します。履行義務が一定の期間にわたって充足されるのか、あるいは、一時点で充足されるのかについて、契約の開始時点において決定しなければなりません。時間の経過に伴う収益か否かということですね。

 

一定の期間にわたって充足される履行義務に関して、下記の要件をすべて満たさなければなりません。

1義務を履行するにつれて、顧客はその履行による便益を受け取ると同時に消費する。

2義務の履行が資産を創出、あるいは資産を増加させ、それにつれてその資産を支配する。

3義務の履行は他に転用可能な資産を創出せず、その時点までに完了した義務の履行について支払いを受ける強制可能な権利を有している。

 

非常に抽象的でわかりにくいですが、IFRSではこの基準を用いて収益認識を行っていきます。

 

 

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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