有期雇用契約の終了について

会計

 

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「有期雇用契約の終了について」についてお話しします。

2019年からの年功補償制度の適用により、無期雇用契約の終了に伴う補償等の支払いに大きな変更がありました。
一方有期雇用契約の終了に伴う規定は変更されていません。ここで、有期雇用契約について改めてまとめてみましょう。

 

雇用契約の終了に関する規定は、労働法および政令等により規定されており、契約に明記された終了日に終了します。しかし以下の通知義務を怠った場合、有期契約は同期間分のみ自動的に更新され、合計の雇用期間が2年以上となった場合は無期契約へと自動的に変更されます。

契約期間 事前通知期間
6カ月未満: 通知の必要なし
1年未満: 10日
1年以上: 15日

また、契約の両当事者が雇用契約解除に合意した場合や、深刻な不正があった場合などは、有期雇用契約終了日前に雇用契約の解除(解雇)をすることができます。

 

正当な理由無く契約の一方当事者が雇用契約を終了させる場合、契約を終了させた当事者は、相手方当事者に対して、生じた損害について賠償を求めることが可能です。また、雇用主が上記理由な雇用契約を終了させた場合、契約残存期間中の賃金相当額の損害を賠償する必要があります。

従業員の過失により解雇する場合は、従業員の過失を認知してから7日以内に解雇または15日以内に懲戒処分をする必要があります。

 

有期雇用契約の従業員を解雇する場合に支払い必要のある補償としては、以下のものがあります。

・損害補償
明確な理由なしに有期雇用契約を終了する場合には、損害補償を支払う必要があります。従業員は12カ月間の平均日当(報酬や諸手当を含む)の30日分を受け取ることができます。

 

・退職金
有期雇用契約契約が終了した場合、雇用主は、契約期間と賃金に比例した退職金を支払わなければなりません。退職金の正確な額は、労働協約により定められます。労働協約で定められていない場合は、少なくとも契約期間中に支払われた、時間外手当やボーナス等を含む賃金の5%としなければなりません。また雇用主が理由なく解雇を行った場合における退職金の計算基礎に残存契約期間中に支払われるべき賃金の合計額が加算されます。
通算雇用期間が2年を超え、有期雇用契約から無期雇用契約に変わった場合は、有期雇用契約の退職金を支払う義務はありません。ただし縫製業などの製造業界においては、有期雇用契約期間満了毎に退職金を支払う慣習があります。

雇用契約終了に伴う各種補償は、労働終了後48時間以内に支払いを行わなければなりません。

 

今週は以上になります。
ご不明な点などがありましたら、お気軽にご連絡下さい。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎

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