予算作成のための税金確認事項 PART 1

税務

こんにちは。カンボジア駐在員の澤柳です。
今回はカンボジア進出における予算作成において、見落としがちな、しかし押さえておかなければいけない税金の各ポイントをご説明します。

1. 家賃

家賃の支払には源泉徴収税10%が発生します。この税金の負担者は貸主側(つまり不動産オーナー)であり、借主は支払金額から10%を源泉徴収し、納税申告をしなければなりません。

しかしカンボジアでは、実務上この源泉徴収制度の理解が完全には浸透しておらず、多くの賃貸借契約書ではこの源泉徴収税を借主側が負担することとなっています。つまり、家賃が100ドルだとすると、借主は100ドルを貸主に支払い、かつ10ドルを源泉徴収税として納税申告する必要があります。

また、貸主側の事業形態が実態管理様式の場合、この支払に対してVAT10%がさらに加算されます。

この場合、貸主側からの請求書には家賃100ドルプラスVAT10ドル、そして源泉徴収税も借主の負担となっていればさらに10ドルを納税申告する必要があるため、120ドルのキャッシュアウトとなります。
 

2. 水道光熱費

一般的なオフィスや不動産であれば、水道料金は発生せず、光熱費の料金が使用料に応じて計算されて貸主から請求が行われます。この請求は、貸主が電力公社から受け取った請求を、各テナントの使用料に応じて実費請求している類いのものであるため、そもそも税金は発生しません。

しかし、気をつけなければいけないのは、一部SEZ(経済特区)での上水道料金です。独自で井戸を掘って地下水をくみ上げ、その地下水を工場に供給する設備を持っているSEZでは、上水道料金にVAT10%が発生します。この理由としては、SEZがサービスとして水の供給を行っており、電力のような扱いにはならないためです。

VATの制度上、このVATは仮払いという性質をもっているため、将来還付ができると考える企業も多くいらっしゃいますが、実際には非常に多くのケースで還付が難しい、または逆に税務調査に入られてペナルティを支払ったというケースが少なからずあります。

民間企業側としては、このようなVATを還付が難しいことを前提として事業運営をする必要があり、特に仮払いVATを多く計上しなければならないQIP企業は気をつける必要があります。

 

以上

関連記事

ページ上部へ戻る