「引当金の認識、測定の事例③」

会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例③についてご説明させていただきたいと思います。

 

資産除去債務

有形固定資産を建設して操業した際に、工場の解体、施設の撤去、環境に与えるダメージ回復のための費用などのコストが発生することがあります。これらのコストは通常、引当金の認識要件を満たすため、負債(資産除去債務)として認識します。

 

 当初の認識、測定

有形固定資産として使用した結果生じると予測されるコストの当初見積額は有形固定資産の取得原価として認識し、資産除去債務として負債認識をします。なお、貨幣の時間価値による影響が重要な場合は、債務の当初見積額を現在価値に割り引かなければなりません。

 

 

 事後測定

資産除去債務について各報告期間末日現在で見直しを行い、新たな最善の見積りを反映するように引当金額を調整しなければなりません。

 

そして、その測定ですが、IFRSでは固定資産の評価方法に二つの方法があるため、どちらのモデルを採用しているかにより、測定の方法が異なります。

 

<原価モデルを採用している場合>

資産除去債務の増加・・・・変動額を取得原価に加算する。

資産除去債務の減少・・・・変動額を取得原価から控除する。

 

<再評価モデルを採用している場合>

資産除去債務の増加・・・・変動額を純損益に認識する。

資産除去債務の減少・・・・変動額をその他の包括利益に認識し、再評価剰余金を増額する。

 

また、現在価値への割引計算を行っている時は、会計期間ごとに割引額を一期ごと繰戻処

理を行う必要がありますが、その処理に出た費用は財務費用として純損益に反映させなけ

ればなりません。

 

                                                                                                                                         

今週は以上です。

 

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