皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア国内事業者の代理業者の取扱い その1」についてお話しします。
2018年6月27日、Prakas597「代理業者による製品・サービスの提供に関わる認識と納税義務」が公布され、現在カンボジア国内で営業している多くの納税事業者に関わる重要な事項の明確化と必要条件が提示されました。
これは、カンボジア国内事業者の代理業者として製品やサービスの提供を行う納税事業者にとっては非常にインパクトの大きいものとなります。直接的に影響を受ける産業としては、旅行業者、通信事業者、生活必需品販売業者、現地製造業者及びカンボジア国内事業者の代わりに製品やサービスの提供しコミッションを受け取る全ての業者が含まれています。
Prakas597で示されている主要な必要条件の一つとして、代理業者として営業するカンボジア国内の納税事業者は、正式な書面により税務総局(GDT)に申請をし、承認書を入手しなければなりません。
加えて、承認書を入手するためには、カンボジア国内事業者の代理業者でなければならず、カンボジア国外事業者の代理業者は除外されています。
Prakas597の主要なポイントは以下に示しています。
VAT
VAT Sub-Decreeの第52条では、代理業者による製品・サービスの提供関する条件を定めていますが、Prakas597において条件の制限及び拡大されています。
エージェントとしての適性を認められるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 中規模納税者又は大規模納税者である
- 代理業者としての関係を明示する契約書及びのその他の書類(例:インボイス)が存在する
- 代理元業者が売値やコミッション額を決定する権限を有している
- 代理元業者が製品の販売時までの所有権を有している
- 製品・サービスの販売時に代理業者が代理元業者についてインボイスで明確に示しているか、代理元業者のインボイスを発行している(両者間によりどちらのインボイスを発行するか決定する必要があり、代理業者がインボイスを発行する場合、連番でなければならない)
- 代理業者がコミッションの請求に対してVATインボイスを発行しており、代理元業者が仕入VATを貸方計上できる
- 代理業者が毎月製品・サービスの詳細なリストをGDTに提出し、毎四半期に在庫変動をGDTに報告している
代理業者としての承認
代理業者として運営するカンボジアの納税業者は、以下の書類を付してGDTに申請書を提出しなければなりません。
- 代理業者・代理元業者の関係を立証する契約書
- 代理業者が中規模納税者又は大規模納税者であることを証明する税務登録書類
- 代理業者により、代理元業者に代わって発行されるインボイスのサンプル.
GDTが申請を認めれば、代理業者であることを認める、有効期限2年の承認書が発行されます。代理業者は満期日より30日以内に承認書の更新の申請を出すことが可能です。申請費用は40万リエル(約100米ドル)、更新は20万リエル(約50米ドル)となります。
次回は、納税義務についてみていきます。
今週は以上になります。
西山 翔太郎