カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「コミュニケーション」です。

ドラッカーは、次のようにコミュニケーションの第一原理を書いています。

 

「無人の山中で木が倒れたとき、音はするか」との問いがある。今日われわれは、答えがノーであることを知っている。たしかに、音波は発生する。だが、誰かが音を耳にしないかぎり、音はしない。音は知覚されることによって、音となる。ここにいう音こそ、コミュニケーションである。神秘家たちも知っていた。「誰も聞かなければ、音はない」と答えた。このむかしからの答えが、今日重要な意味をもつ。この答えは、コミュニケーションの内容を発する人間、すなわちコミュニケーターではない。彼は発するだけである。聞く者がいなければ、コミュニケーションは成立しない。意味のない音波があるだけである。これがコミュニケーションについての第一の原理である。

『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』P・F・ドラッカー/上田惇生編訳(ダイヤモンド社、2000年)】

 

ドラッカーは、コミュニケーションは誰かがそれを受けて心を動かし、意識を変えることが必要条件だと定義しています。思考は人によって異なり、同じものでも見え方が違います。つまり、このような不完全な人間による組織では、相対的に機能するコミュニケーションが成果をあげるためには必要です。

 

1を伝え、聞き手が1を受け取った場合、それが聞き手の思考を通して0になったり2になったりすることがあります。しかし、理想的なコミュニケーションは「1+1=1」であり、絶対的なコミュニケーションの手法を求めるよりもその現実をしっかりと相手に伝えることが大事です。

 

 

澤柳 匠

 

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