皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「真摯さ」です。
マネジメントにとって最も重要な要素は人格的な真摯さ(ドラッカーはIntegrityと表記)であることを当然としなくてはなりません。真摯さに欠如したマネジメントは、働く人の仕事への意欲を消滅させ、働く者も真摯さに欠如した行動へ引き込み、組織の中に真摯さの欠如した企業風土をつくることになります。そして、真摯さの欠如した概念を当たり前の環境にしていきます。
真摯さの欠如してる者は、いかに優秀であってもマネジメントにしてはなりません。 ドラッカーは、『真撃さに欠ける者は、(中略)、組織を腐敗させる。企業にとって最も価値ある資産たる人材を台無しにする。組織の文化を破壊する。業績を低下させる』と説いています。
さらにドラッカーは、マネジメントについて、真摯さを絶対の条件にしています。真摯さの欠如した人物をマネジメントにすることは、組織を堕落させると指摘しています。その著書で以下の通り述べています。
「リーダシップが発揮されるのは真摯さだからである。多くの人の模範となり、真似されるのも人格においてだからである。真摯さは修得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとから、身につけることはできない。」
「真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、特に部下にはその者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことは許す。しかし真摯さの欠如だけは許さない。そのような者を選ぶマネジメントは許さない」
誰でもが自らの上司に対し、精一杯貢献しようと考えています。上司とともに成果を作ることが自らの使命と心得ているでしょう。多少自らの考えにそぐわなくても上司の考えに合わせて成果を導くよう努力するのが人間にとってはむしろ普通のことなのです。
しかし、働く人も自らの判断基準を持っていて、マネジメントが部下を評価するように、働く人も上司であるマネジメントを評価しています。
マネジメントの考え方が自らの考え方に共感できれば、マネジメントの成果の実現に全力で尽くしますが、一方、マネジメントの考え方や行動に真摯さが見られなければ、働く人はマネジメントに合わすことはできても、共感することはできません。
澤柳 匠