IFRSにおける収益認識について①

会計

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はIFRSにおける収益認識について①ご説明いたします。

 

IFRSでは、IFRS15という規定が2017年1月1日以降に開始される事業年度から適用されることになります。この規定は「顧客との契約から生じる収益」です。

 その前までは限定的な局面に対応する規定しかありませんでしたが、これをもって売上高に関する包括的な基準が与えられたことになります。

 

コア原則

コア原則は以下の通りになります。

「企業は、顧客との財またはサービスの交換で企業が権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で、その財またはサービスの移転を描写するように、収益を認識しなければならない。」

 

この上記のコア原則を達成するため、次のステップが定められています。

 

ステップ1 契約の識別

 

次のすべての要件を満たす場合にのみ、顧客との契約についてIFRS15に従った会計処理を行います。

 

(a)   各契約当事者が契約を承認し、かつ義務の充足を確約している。

(b)   移転される財またはサービスに関する各契約当事者の権利を識別することができる。

(c)   移転される財またはサービスに関する支払条件を識別できる。

(d)   契約に経済的実質がある。

(e)   顧客に移転される財またはサービスとの交換によって権利を得る対価を回収する可能性が高い、

 

ステップ2 履行義務の識別

 ステップ1で認識した契約において約束した財またはサービスを評価し、履行義務を識別します。ここで履行義務とは、次のいずれかを顧客に引き渡す約束のことをいいます。

 

(a)   区別することができる財またはサービス

(b)   実質的に同一で、顧客への移転パターンが同一の、区別可能な一連の財またはサービス

次の要件を両方とも満たす場合は、顧客に約束した財またはサービスを区別することができます。

 

(a)   顧客は、財またはサービス単独で、または、顧客が容易に利用できる他の資源との組み合わせで、財またはサービスからの便益を得ることができる。

(b)   財またはサービスを顧客に移転する約束は、同一の契約における他の約束と別個に識別することができる。

 

非常に抽象的ですね・・。残り3つのステップは来週のブログでご説明します。

 

 

 

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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