皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「戦略の評価」です。
Johnson, Scholes & Whittingtonによれば、戦略を評価する上で以下の3つの事項を考慮する必要があります。
Feasibility
Acceptability
Suitability
Feasibilityとは、ヒト、モノ、カネといった経営資源が十分に揃っているか
Acceptabilityとは、利益とリスクのバランスやステークホルダーのケアが適切か
Suitabilityとは、外的環境(PESTELやポーターのファイブフォースなど)や企業の内的環境(SWOTやバリューチェーン分析など)に適合しているか
といった形で、企業は戦略を3つの軸で評価をすべきであると結論づけています。
さらに彼らの重要な論点として、その戦略の評価では常にYesである必要がなく、いくつかはNo、つまり評価が低かったとしても、全体的な評価点のバランスやその戦略の重要度などを考慮してあげる必要がある、とその著書で述べています。
満点の戦略というものは存在しません。それは財務諸表が完璧で満点だと監査人が監査報告書で謳うことができないのと同じであり、経営者もまた戦略の評価に完璧を求めてはいけないのです。この点に於いては、減点方式ではなく、むしろ加点方式で戦略を評価し採用した方が良いのではないかと思います。
また、彼らは戦略という言葉を「Long term scope and direction」と定義しており、スコープの広さとその方向性が適切かどうかという視点も評価の基準には含んでいる必要があります。
もちろん上記の考え方だけが戦略の評価ではなく、むしろ、非常に多くの著書が存在しています。細かなツールとしては、BCG Matrix、SWOT分析、Product-Market Matrix、GE Planning Grid、Decision treesなど、例を挙げればきりがありません。しかし、コンサルタントとして、経営者のパートナーとして、多くの企業の戦略に携わる中で、戦略の評価という大きな責任を全うするために、我々はできるだけたくさんのツールを揃えておく必要があります。
澤柳 匠