IFRS分野・カンボジア企業経営への心得

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IFRS分野

 

こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。前回は、IFRSの特徴である、「原則主義」についてお話ししました。今回は、もう一つのIFRSの大きな特徴である、

「資産負債アプローチ」についてお話しします。

 

「資産負債アプローチ」とはどのようなものを指すのでしょうか。

簡単にいえば、企業の業績を貸借対照表から捉える考え方のことを指します。

 

①   一会計期間の収益      -  一会計期間の費用      = 利益  ×

  一会計期間の資産の増加   -  一会計期間の負債の増加   = 利益 ○

 

 

①は従来の日本基準の考え方です。収益と費用がそれぞれ資産、負債とは独立して定義付けされ、利益計算がなされます。この考え方によって示された利益計算を、損益計算書といい、現行の日本基準はこの計算書を採用しています。「包括利益の表示に関する会計基準」が日本でも公表されていますが、これは連結財務諸表のみ適用されることになります。

 

 

IFRSでは、②の利益計算式が採用されます。つまり、まずは資産・負債を収益、費用とは独立して定義し、その増加・減少から利益の金額を導く考え方のことです。この考え方によって示された利益計算を、包括利益計算書といいます。IFRSでは包括利益を重要な利益の指標として用いることになります。包括利益になると従来の当期純利益とは異なり、資本直入される処理(exその他有価証券の時価反映)なども利益の金額に含まれることになります。

 

例 当社はA社株式を2014年4月1日に1000$で取得した。この株式は売買目的ではなく子会社、関連会社株式でもない。2015年3月31日現在時価は1200$であった。法人税等の実行税率は40%である。期末の会計処理はどのようになるか。

 

(借)投資有価証券  200  (貸)繰延税金負債(長期)80 

                                           その他有価証券評価差額金 120

 

この、その他有価証券評価差額金は収益項目ではなく資本項目です。損益計算書には記載されないですが、包括利益計算書では記載されます。なぜなら包括利益は資産・負債の増減(=資本の増減)で利益を認識するからです。違いがわかりましたか?

 

 

 

 

 

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、前回に引き続き、カンボジアにおける企業経営でのお困りごとの1番目、「人の問題」についてお話しします。

 

現地日本人とカンボジア人社員の立場による危機感のギャップがあり、そのギャップを解消することが重要です。それでは、企業はどうしたらこの危機感のギャップを解消できるのか。

 

冒頭にもお話ししましたが、カンボジア人社員の意識を変えなければいけません。しかし、社員の意識を変えるには非常に時間が掛かりますので、外科手術のような短期的なやり方ではなく、漢方薬のような長期的なやり方で変えなければなりません。

 

カンボジア人の性質がそもそもスキル志向であるならば、スキル志向そのものを変える必要はなく、我々は顧客志向の意識をもつようにカンボジア人を指導することが最も有効な手段となります。ここでの顧客とは、会社の顧客、そして顧客の顧客までを含む広義での顧客となります。

 

顧客志向を鍛えたカンボジア人社員の意識は、常に貢献に焦点を合わせることによって、自ら狭い専門やスキルやキャリアアップではなく、組織全体の成果に注意を向けるように自然となるのです。特に、顧客と接することのない社員の意識は自然と内側へ向いてしまいます。

 

顧客への貢献意識を採用時、研修時、雇用時それぞれのステージでしっかり従業員に学んでいただき、顧客満足、そして結果として従業員満足を高めることが人の問題の重要な解決策となります。

 

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