こんにちは、カンボジア駐在員の佐藤です。
今回はカンボジアの電力事情についてご説明致します。
Q.カンボジアは電気料金が高い、供給が不安定だとよく耳にしますが、
実際の電気事情はどのようになっていますか。また今後の見通しを教えて下さい。
カンボジアは現在ディーゼル燃料による電力発電を主に行っておりますが、国内発電のみでは賄いきれず、ベトナムなどの隣国から電力を輸入している現状があります。そのため、周辺国の中でも比較的電気料金は高くなっています。
単位:USD | プノンペン | バンコク | ハノイ | ヤンゴン | ビエンチャン |
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業務用電気料金(kWh当り) | 0.19~0.20 | 0.06~0.14 | 0.04~0.11 | 0.12 | 0.08 |
(出典:JETRO )
また、停電を起こすことも少なくなく、比較的インフラが整っている経済特区内でさえも自家発電機を設置している企業があります。
このように電力不足による停電や電力コストの懸念事項はありますが、政府としても様々な取組みを実施しており、特に国内電力供給量の増加に向けて火力発電所や水力発電所の建設が随時行われています。実際に今年3月にはカンボジア初の石炭火力発電所が稼働 したことにより、(Sankei Biz)シハヌークビル港SEZ の電気料金は2012年でUS$0.28/Kwhであったのに対し、現在はUS$0.19/Kwhと約10セント電気料金が値下がりました。
また燃料価格に左右されやすい石油・重油からの発電を減少し、水力発電にシフトすることで電気料金の安定化を図っています。現在も水力発電所の建設は行われており、2015年にアタイ水力発電所、2017年にセザン2水力発電所の完成が予定されています。
電力の60%以上を輸入に依存していた時期もありましたが、新規発電所の稼働に伴い国内発電量が確実に増えており、EAC(カンボジア電力庁:Electricity Authority of Cambodia)は2015年までに国内で必要な電力需要を賄うことはできると見込んでいます。
(参考:第9回官民合同会議、第10回官民合同会議)
現時点では電気コストが他の国と比べて高いのは事実ですが、電気不足は徐々に解消されていくことは確かな流れと言えるでしょう。
以上です。
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